IBMが今日、IBM Power Systems S822LC for High Performance Computingという、たいへん分かりやすい名前のハードウェアシステムを発表した。ごてごてした名前だけど、実際には、とてもおもしろい製品なのだ。Nvidiaと共作したこの新しいシステムは、人工知能や機械学習、高度なデータ分析などのユースケースが主なターゲットだ。
この新しいサーバーマシンは、IBMのPOWER8 CPUを2つ、NvidiaのTesla P100 GPUアクセラレータを4つ使っている。でも、そういう種類のソフトウェアを高速に動かす力の源泉は、CPUやGPUだけではない。IBMはNvidiaのハイスピードインターコネクト(プロセッサー間通信技術)NVLinkを使って、CPUとGPUが従来の(デスクトップコンピューターが使っている)PCIeバスより大幅に高速に通信できるようにしている。IBMのPower8 CPU は、NVLinkのインタフェイスを内蔵している。
IBMの発表声明はこう言っている: “データベースアプリケーションや高性能な分析アプリケーション、コンピューティングアプリケーションなどを、PCI-Eインタフェイス上でGPUを使うx86システムで可能なものよりもずっと大きな、データ集合に対して運用できる”。
このシステムに、どれだけの性能を期待できるのか? IBMによると、21テラフロップの半精度浮動小数点演算性能がGPUから得られる。これは現代のPCI-Eスロットに挿入したカードから得られる性能よりも約14%高い。機械学習では訓練にかなりの時間を要するから、実際のアプリケーションでは14%の累積効果はきわめて大きい。IBMによると、古いTesla K80 GPUとPCI-Eインターコネクトを使った場合に比べると、2倍以上のスピードが得られたそうだ。