IBMは6月7日、将来の量子コンピューター技術の研究開発を行うハードウェア・テストセンター「The University of Tokyo – IBM Quantum Hardware Test Center」を東京大学浅野キャンパスに開設し、量子コンピューター動作環境を再現するプラットフォーム「量子システム・テストベッド」を設置したことを発表した。
同センターの開設は、IBMと東京大学が2019年12月に設立を発表した「Japan–IBM Quantum Partnership」に基づくもの。このパートナーシップは、「産業界とともに進める量子アプリケーションの開発」「量子コンピューターシステム技術の開発」「量子科学の推進と教育」の3つの推進を目指している。IBMはこれを「量子コンピューターの研究開発を進めるための日本の産学連携プログラム」と位置づけている。
量子システム・テストベッドは、量子コンピューターに必要な部品の試験を行うための大規模なプラットフォームだ。IBMと東京大学は、日本の参加企業や団体にアクセスを提供し、量子コンピューターの実用化に不可欠な材料や部品・技術の研究開発を行うことにしている。たとえば、「高度な極低温マイクロ波コンポーネントとサブシステムおよび制御エレクトロニクス」「超伝導量子ビットを安定的に動作させるために必要な材料」「高品質な信号伝送に必要な高周波部品や配線」、さらに「極低温を実現するために必要な冷凍機やコンプレッサー」とそれらの制御技術などが含まれる。
また、ナノ構造物理や超伝導などの研究で知られる仙場浩一氏が6月1日付けで東京大学大学院理学系研究科に特任教授に着任し、各メーカーとの協業から研究開発を牽引してゆくことになった。
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