Instagramがストーリーでの縦スワイプ操作開発を認める

Instagramは「縦スワイプのストーリー(Vertical Instagram Stories)」と呼ばれるTikTok的な新機能を開発中だ。現在ユーザーはストーリー内の写真をタップと横スワイプで閲覧している。これはnstagramがSnapchatから借用した方式だが、今やこの表示手法が古びてきた。本家のSnapchatでさえTikTokから新しいアイデアを取り入れている。たとえば最近導入されたスポットライトはTikTokのクローンだ。

多くの場合、縦スワイプは、タップや横スワイプよりも自然に感じられる。前者がモバイルアプリやウェブサイトをナビゲートするときの一般的な方法だからだ。Instagramでも縦スワイプは広く取り入れられており、FacebookのニュースフィードやYouTubeのホームページなど多くのソーシャルアプリも縦スワイプを利用している。

とはいうものの、ストーリーを全面的に縦フィードに変えることはInstagramにとって大がかりな変更だ。現在もストーリーにはInstagram本体に投稿された写真の再共有などが目立つ。縦フィード化によりストーリーが静的な本体コンテンツからの移行の舞台を提供することになるかもしれない。Instagramは、新しい縦フィードのストーリーでは静止画より動画のを優先してTikTokとの競争力を高めるはずだ。これは現在Instagramがアルゴリズムとデザインを調整してReelsによる動画の表示を優先しているのと同じだ(事実、Reels動画は個人クリエイターが利用してフォロワーを大幅に増やすことに成功している)。

縦フィードのストーリーが開発中であることは、Alessandro Paluzzi(アレッサンドロ-パルッツィ)氏が最初に発見してツイートした。

このツイートには「上下にスワイプしてストーリーを閲覧できるようになりました」というテキストと「縦ストーリー」と書かれた大きな青いボタンのシンプルなユーザーインターフェイスのスクリーンショットが添付されている。

TechCrunchの取材に対し、Instagramはこの機能が準備されていることを確認した上で「現時点では一般公開はされていない」と述べた。

広報担当者はスクリーンショットについて「これは初期のプロトタイプであり、Instagramでは現在このバージョンをテストしていません」と説明した。

もちろんプロトタイプがそのまま本番公開されることは滅多にない。しかしInstagramがこのバージョンの存在を認めたことは、対TikTok戦略としてどういうアイデアを検討しているか示すものだ。

InstagramのTikTok対抗機能であるReelsは現在、当初Instagramの「発見(Explore)」セクションで公開された。現在Reelsは画面下端の目立つ位置に表示される。Reelsの動画をクリックすると、新しいユーザーインターフェースが表示され、TikTokと同様に縦スワイプで次の動画が表示される。

現在、InstagramのUIは複雑でごちゃごちゃしており、新しいフォーマットの追加が混乱に輪をかけている。現在Instagramアプリには、フィード、ストーリー、短い動画のReels、もっと長いIGTVなど多数のコンテンツが存在している。ユーザーが動画を公開しようとするとあらゆる種類の場所がある。正直これは多すぎだ。

Instagramもこの点には気づいているようだ。同部門の責任者、Adam Mosseri(アダム・モッセリ)氏は最近のTheVergeのインタビューで「ほとんどのユーザーはIGTVコンテンツとInstagramに投稿された動画の違いも理解していないでしょう。我々は機能統合し、ユーザーインターフェイスをシンプルにする方法も検討しています」と述べている。

モッセリ氏のコメントはInstagram本体への通常の動画投稿とIGTVの間の混乱についてのものだが、Instagramのストーリーの動画とReels動画の間にも無視できない重複がある。フィードの縦フィード化は多数のフォーマットの複雑な順列組み合わせ一掃できるかもしれない。まずストーリービデオとReels動画が統合されるのではないか。

今のところInstagramがどの方向に進もうとしているのかは明らかでない。Facebookグループは従来のストーリー形式に疲れが目立ってきたと考え、もっとニーズのある縦フィードに移行しようとしているのかもしれない。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Instagram

画像:Bryce Durbin

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(文:Sarah Perez、翻訳:滑川海彦@Facebook

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TechCrunch Japan

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