iPhone 7に搭載されたカメラの強力な新機能は、Instagramの次のバージョンでスポットライトを浴びることになる。Instagramのデザイン部門でトップを務めるIan Spalterは、iPhone 7の発表イベントでステージに上がり、iPhone 7にインスパイアされたInstagramの新機能のデモを行った。
新しいInstagramでは、指一本を上下にドラッグするだけでiPhone 7 Plusの望遠ズームレンズを操作することができる。これは、Snapchatに導入され人気を博した操作方法だ。触覚フィードバックによってどのくらいズームしているかがわかりやすくなるため、うっかりデジタルズームに入り込んで画質を損なうことなく、iPhone 7 Plusがサポートする光学2倍ズームの範囲にとどまることができる。先月にInstagramは一本指ズームをストーリー内で採用し、ユーザーはビデオ撮影中にコメディー調のズーム効果を再現したり、画角を素早く調整することができるようになっていた。
また、Instagramのカラーフィルターは、色域が広がったiPhone 7のカメラセンサーを有効活用するために現在デザイン変更が加えられている。これにより、iPhone 7で撮った広色域な写真に対応することができ、Instagram上の写真がこれまで以上に鮮明になる。
さらに、3D Touchを利用して、ユーザーは写真を直接Instagramストーリーに加えることができるようになる。ストーリーにはありのままの姿や即興性が求められるため、カメラにすぐ手が届くことで、ユーザーは自然な瞬間を逃さずに偽りのない写真を撮ることができるようになるだろう。
そして、Live Photos APIのおかげでiPhoneのLive Photosを即座にBoomerangの、再生・逆再生を繰り返すGIFアニメに変換することができるようになる。これまでユーザーは、専用のBoomerangアプリ上で何枚もの写真を撮り、それらを結合することでアニメーションを作成しなければならなかった。しかし新たなバージョンでは、iPhoneのデフォルトカメラアプリで撮った写真をBoomerangのGIFアニメとして処理することができるようになるのだ。
今回のAppleとFacebook傘下のInstagramのパートナーシップによって、Appleが根底にあるテクノロジーをつくり、クリエイティブな部分はInstagramが担当するという戦略が今後加速していくことになるかもしれない。今回のイベントでAppleは、Boomerangの競合になるような自社開発のGIF作成アプリについては発表しなかった。その代わりに、Appleはハードウェアという強みを追求し、Instagramにありのままのデータをアートへと昇華させる工程を任せようとしているのだ。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)