ついにInstagramが、Snapchatの最も人気の高い機能をコピーする準備を始めた。実のところこれはまだコピーされていなかった数少ない機能の1つだ。Instagramは、これまで発表されていなかったチャットスレッドから離れるとメッセージがクリアされる一時的テキストメッセージング機能のプロトタイプを内部で開発している。TechCrunchはFacebookの広報担当者へ確認をとることができた。この機能が使えるようになれば、ユーザーは思いつきの、愚かで、不安定で、そして危険なチャットを、より安心して行えるようになる。その結果、ユーザーに1日中Instagramを開いておくようにさせる返信通知数が増加するだろう。
Instagramは2018年2月にはすでに、送信した写真やビデオメッセージが消える機能をローンチしていた。この機能を使う際に送信ユーザーは、受診相手のアクションとして「1回表示」、限定期間中「リプレイを許可」、もしくは永続的な「チャットに保存」を指定することができる。現在無理やり一時メッセージテキストを送るためには、Stories(ストーリーズ)の「Create」モードで色付きの背景に言葉を重ねるか、もしくはスレッド内での「 メッセージの送信を取り消し」機能を使う必要がある。
しかし本日3月19日、リバースエンジニアリングのスペシャリストであり、TechCrunch御用達のタレコミ人であるJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン) 氏が、新しい何かを発見した。Androidアプリのコードの中には、新しい「 」モードが埋め込まれている。つまりこのコードには「言わ猿」(「悪口を言わない」という意味の猿の絵文字)のラベルが付けられているのだ。
Instagramのメッセージ消去の仕組み
ユーザーがInstagram Directのメッセージスレッドから、上にスワイプしてこのモードに入ると、ダークモードの空のメッセージングウィンドウが表示される。ユーザーがこのウィンドウを閉じると、自分からの、またはチャットパートナーからのメッセージは消去される。この機能は、Snapchatが提供している、スレッドの全員がチャットを表示して、チャットウィンドウを閉じると同時にチャットがクリアされる機能と同様な動作を行う。
一時的なメッセージング機能は現段階では公開されていないが、Facebookの広報担当者は、私に対して、社内でそのための作業を進めていることを認めた。「私たちは、メッセージング体験を向上させるために常に新しい機能を模索しています。この機能はまだ開発の初期段階で、外部でのテストは行っていません」。同社は後に同じ内容をツイートしている。彼らは、これが正式にローンチされるのかどうか、またいつ開始されるかについての見通しは示していない。プロトタイプ段階から抜け出すことができない機能もあるが、ウォン氏が発見したものも含め、その他多くの機能が数ヶ月のうちにはリリースされてきた。
Instagramはこれまでも、ライバルのSnapchatを製品研究開発ラボとして活用して大きな成功を収めている。Instagramが(Snapchatの機能を真似て)開発したストーリーズは、Snapchatが全体でたったの2億1800万人のユーザーなのに対して、1日5億人のユーザーへと急成長した。
しかし一時的メッセージング機能は、Snapchatの人気を保つのに役立って来た。2017後半には、Snapchatの1億7800万人のユーザーのうち、1日あたり5100万人がストーリーズを投稿していたが、それはまだInstagram版ストーリーズが市場に出た最初の年のことだった。Statistaによるれば、Snapchatのトップユースケースは、エンターテイメントではなく、友人や家族と連絡を取り合うことだ。
Instagramのストーリーズによって、Snapchatはある時点で縮小を始めたが、現在は再び健全に成長している。おそらくそれは、InstagramがSnapの勢いを盗むために、まだやるべきことが残っていることを示しているのだろう。しかし、Instagramの既存バージョンのやり方での一時メッセージングは不格好だし、Facebookは同様の機能の試験運用を停止したし、10月にテストを開始したWhatsAppの機能は、まだ公開されていない。
このことが10代の若者たちを、後から拡散して自分たちに害をなすことを心配しなくてもよいSnapchatでのスピーディーなコミュニケーションに引き止めているのだ。もしInstagramがこの機能のクローンにも成功した場合には、ユーザーがSnapchatにとどまる必然性が減少し、Instagram Directが主要な利用者たちにより強くアピールするようになるだろう。すべての返信とそれに続く通知が、ユーザーをより深くFacebookの絡めとる網の中に引き込むことになるだろう。
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(翻訳:sako)