Instagram特化型メディア「インスタアンテナ」やInstagramキャンペーンCMS「CAMPiN」の運営と並行し、Instagram分析ツール「SINIS(サイニス)」を開発し提供するテテマーチ。同社は10月21日、同ツールに「より高度な分析機能」を追加した有料プランの提供を開始したことを発表した。
テテマーチは2018年9月より、SINISの無料版のみ提供してきた。同社の説明によれば、これまでのSINISは、あくまでも「自社アカウントの分析を行うためのInstagram分析ツール」だった。だが、Instagramの国内ユーザー数が3300万ユーザーを突破するなどInstagramが隆盛する中で、「自社アカウントの分析だけではInstagramマーケティングの全体像は抑えることが難しいと感じてきた」(テテマーチ)。
そのため、本日発表された有料プランでは、客観的視点で現状把握する「競合分析」、ユーザーの口コミであるハッシュタグ投稿からトレンドを理解する「ハッシュタグ分析」、フォロワー数ではなく自社に対する熱量を可視化しファンユーザーを見つける「ファン分析」、この3つの視点を持つ新機能を提供する。
有料版で利用可能となるのは以下の機能だ。
- 各データの期間比較:「フォロワー増加数」や「エンゲージメント率」、「フォロワー男女比」などのデータの期間比較が可能。
- エンゲージメント率の計算式指定:様々な運用担当者の重点指標に合わせてエンゲージメント率の計算式を指定することができる。指定できる値は分子分母共に「いいね数」、「保存数」、「リーチ数」などの6項目。
- アカウントのベンチマーク登録:自社アカウント以外のビジネスアカウントを指定し、フォロワー数やフィード投稿の内容などをベンチマークすることが可能。
そして、「ハッシュタグのベンチマーク登録」と「タグ付けユーザーのランキング」の2つの機能が近日、公開される予定だ。
ハッシュタグのベンチマーク登録では、ハッシュタグを指定し、指定したハッシュタグがついた投稿の日別の投稿件数の推移や人気投稿欄への掲載有無、人気投稿欄の平均いいね数、コメント数などを計測できる。タグ付けユーザーのランキング機能では、自社アカウントに対してメンションやタグ付けをし投稿したユーザーを集計し、ユーザーの能動的なアクション回数によるランキングを作成する。
Instagramのマーケティング活用は日本でもかなり一般化してきたが、テテマーチでは「Instagramマーケティングをブームではなくマーケティング活動の一つの文化として根付かせるべく、今後も新機能の開発を進めていく」という。
テテマーチ取締役COOの松重秀平氏は、Instagramアカウントを運営する企業がSINISのようなSaaSツールを使う重要性について、以下のようにコメントした。
「(Instagramアカウントの)運用担当者は自分のアカウントに愛を持っていて、自分がやっていることに誇りを持っている。だが、会社内で上申しようとする際に、結局、売上に貢献しているのか、といった部分を説明しづらい。SINISを使えば、自社のデータもすぐに数字で報告でき、他社と比較した上で状況を説明することもできる。単にアカウント数だけではなく、『ユーザーの口コミも増えてきている』ということも加えて報告できれば、担当者の社内での地位の底上げにも繋がるのではないか。そういった意味で、データの可視化は非常に重要だと考えている」(松重氏)。