チップメーカーのIntelとイギリスの半導体知財企業ARMが発表した合意により、Intelの注文生産型ファウンドリ事業に大きな弾みがつくことになった。
この契約は今日(米国時間8/16)サンフランシスコで行われたIntel Developer Forumでも発表され、IntelのCustom Foundryが、サードパーティが作るARMのプロセッサーの製造を担当することになる。
Intelの最新の決算報告は、同社が今、過渡期にあることを明らかに示している。また同社は、物のインターネット(IoT, Internet of Things)のための態勢整備が必要である。日本の大手テクノロジー企業Softbankに先月買収されたARM Holdingsとの合意は、そちらへ向けての第一歩になるだろう。
Chicago Morningstarの株式市場アナリストAbhinav Davuluriによると、“これによってIntelはTaiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)やSamusungのファウンドリと互角に、QualcommやAppleの仕事を取れるようになる”、という。
そのコラボレーションの一環としてARMとIntel Custom Foundryは、ARMのSoC(s)の、Intelの10ナノメートルプロセスによる開発実装を加速する。そのために、ARMの知財Artisan Physical IPが提供される。
Intel Custom Foundryの副ゼネラルマネージャーZane Ballが、ブログにこう書いている: “この技術をIntelの10nmプロセス向けに最適化することは、ファウンドリの顧客がこのIPを利用して最上級のPPA(power, performance, area)により、モバイルやIoTやそのほかの消費者製品のための彼らの設計の、電力効率の良い高性能な実装を実現できることを、意味している”。
Ballによると、Intelはこれまで、ANSYS, Cadence, Mentor Graphics, Synopsysなどとパートナーしたことがある。またIntelは、NetronomeやLG Electronicsなどの顧客のためのチップを作っている。とりわけLGは最近、世界初のAndroid 7.0実装機となるハンドセットを、新たな旗艦的デバイスとして発表したばかりだ。