iOS 14の「News+」アプリは記事提供元のトラフィックを横取りする

Apple(アップル)の今ベータ状態のオペレーティングシステムでは、News+の会員がNews+のパブリッシャーのリンクをクリックすると、AppleのNewsアプリへ自動的にリダイレクトされるようになる。

つまり、News+のパートナーの有料記事のリンクをクリックしたりタップすると、iOS 14やiPadOS 14、そしてmacOS Big Surでは、そのリンクがパブリッシャー自身のウェブサイトを指しているようであってもNews+アプリの記事ページへ直行する。

広告のない会員制ニュースサービスScroll(未訳記事)を作ったTony Haile(トニー・ハイル)氏は米国時間8月10日朝に、この変化についてツイートしている。TechCrunchのこの記事は、彼のツイートの焼き直しのようなものだ。

例えば、New York Timesのアプリの読者もおなじみだろう。iPhoneなどでウェブのリンクをクリックすると、元記事でなくアプリの中のその記事のページへ遷移する。TechCrunchでは、有料でない記事でも、リンクをクリックするとNewsアプリを開くようにとアップルに促された。

Tony Haile:ワォ、Apple News+のパブリッシャーの内何社が、新しいiOS14とMacOS Big Surではデフォルトで、彼らのサイトへのトラフィックが横取りされてAppleのNewsアプリへ送られることを知っているのだろうか。

この方式は、News+の会員のフラストレーションの原因を1つ取り除く。月に9.99ドル払うと、The New YorkerやThe Wall Street Journalなどのパブリッシャーの有料記事を読めるが、それはパブリッシャーのウェブサイトではなく、Newsアプリからでないとアクセスできない。そのため、Google(グーグル)やTwitter(ツイッター)などで読みたいものを見つけても、それのリンクをクリックする代わりにNewsアプリを開いて記事を探し出すしかない。

最初は戸惑うかもしれないが、読者体験を相当改善してくれるだろう。対象となるのは、News+の会員でオプトインしている者だけだ。この設定を変更するには、Newsの設定で「Open Web Links in News」(ウェブリンクをNewsで開く)を無効にしなければならない。

しかし、ハイル氏が言うように、この変更はパブリッシャーにとってあまりうれしくないかもしれない。「Apple News+がチャンネルとオーディエンスの分離を表していた戦略的根拠はもはやどこにもない。これによってパブリッシャーの中核的購読者オーディエンス(オリジナルに対する読者)が直接、食われることになる」と語る。

アップルはNews+の会員数を公表していないが、記事はいくつかある。CNBCの2019年11月の記事は、このサービスが最初の48時間で20万のユーザーを獲得(CNBC記事)したあと、伸び悩んでいる、と示唆している。また、「パブリッシャーが売上の少なさに幻滅している(Digidayの記事)」と報じている記事もある。

アップデート:アップルのスポークスパーソンが以下のような声明を受け取った。

アップルには、Apple News+の会員のために最良の体験を創り出す責任があります。この変更は会員にNews+の会員制の一部であるNewsアプリやパブリッシャーのアプリのコンテンツに直接、シームレスなアクセスを提供し、またパブリッシャーには、Apple Newsにおけるエンゲージメントと売上の増加機会を提供します。News+の会員はNewsの設定で、リンクに関する好みを指定できます。

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画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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