iOS 14のホーム画面デザイン機能搭載でPinterestが驚異的なダウンロード数を記録

iOS 14のリリースでiPhoneのホーム画面をカスタマイズできるようになりユーザーは沸き立っている(CNBC記事)が、その恩恵がPinterest(ピンタレスト)にも及んだ。サードパーティーによる新たな推測では、Pinterestのアプリは1日あたりの世界のダウンロード数を更新し、App Storeのトップチャートに躍り出た。ユーザーたちは、新しいガジェットに合ったカスタムアイコンや壁紙に使う写真など、iPhoneのデザインのインスピレーションを探し求めている。

Apptopia(アプトピア)は、iOS 14でカスタマイズが可能になったことが、Pinterestのダウンロードに大きな影響を与えたと最初に指摘したApp Store調査会社だ。そのデータによると、Pinterestは米国時間9月21日の1日だけで驚異的なダウンロード数を記録し、世界でおよそ61万6000本が新規インストールされたという。

しかし他のサードパーティーの調査会社は、Pinterestの1日のダウンロード数の記録は、実際にはその前日に達成されたと見ている。

画像クレジット:screenshot via TechCrunch

App Store市場の調査会社Sensor Tower(センサー・タワー)の推測はApptopiaのものに近いが、9月21日の世界でのインストール数は、iOSとAndroidを合計しておよそ68万件となっている。61万6000件ではない。

さらにSensor Towerのデータが示しているのは、Pinterestが1日のダウンロードの最大数を記録したのは9月20日だったということだ(これは少なくとも、Sensor Towerがアプリのダウンロード数の調査を開始した2014年1月からの最多記録だ)。

Sensor Towerは、9月20日にPinterestのアプリが世界中のiOSとAndroidにインストールされた数は80万件と見ている。前の週との比較で32%増となる。Apple(アップル)の新しいモバイル・オペレーティングシステムiOS 14が世界でリリースされる数日前の9月13日は60万7000件だった。

さらにPinterestは、iPhone用無料アプリのチャートで9月18日金曜日には47位だったものが、9月20日、日曜日には7位に上昇している。そのまま上昇は続き、9月21日の月曜日には6位となった。この数値はApptpoiaのデータとも一致する。一時的に1位になっていた可能性もあるが、その日のナンバーワンとして記録されるのに十分な時間は維持できなかったのだろう。

Pinterestは現在、iPhone用アプリのライフスタイル部門で1位になっている。もっとも2020年2月4日の時点でも、この部門では1位か2位の常連だったとSensor Towerは指摘する。

米国時間9月22日のPinterestのホームページには、iPhoneのデザイントレンドが「Daily Inspiration」(日々のインスピレーション)の1つとして紹介されている。「流行の壁紙と美しいホーム画面のアイデア」というコレクションは、現在ホームページのトップに示されている。ここでユーザーはiPhoneの背景画像を探したり、自作のデザインやアイコンのセットを人々にシェアして、それを元にしてオリジナルのデザインを作らせることもできる。

iOS 14のアップデートは、Androidユーザーが長年待ち望んでいたホーム画面のウィジェット機能を提供したことで、アプリのエコシステムに大きな影響を与えた。

あまり使わないアプリを隠すことができるiOSの新しい「Appライブラリ」と合わせて、これまで明らかに抑えつけられてきたiPhoneのインターフェイスを自分の趣味や興味に合わせてパーソナライズしたいというユーザーの欲求に、iOSがようやく応えることになったのだ。またiPhoneユーザーは、Appleのショートカットアプリを使ってカスタムアイコンが作れるようにもなった。もっともこれは裏技のようなもので、実際のアイコンに置き換わるわけではなく、アプリを起動するためのショートカットを作るというものだ。

このデザイン変更のトレンドは、Pinterestだけに収まらない。新しいウィジェットやクリエイティブなツールを熱望してきたユーザーは、iPhoneのApp Storeとそのトップチャートで盛り上がっている。

trini「それはそうと、新しいiOSでやっとDnD Pinterestボードが使えるようになった。問題は、どのキャラクターにするかだ」

A•C•B•「iOSのホーム画面のレイアウトはPinterestを使う理由を増やしてくれた」

今のところ、米国のApp Storeの無料アプリ部門では、ウィジェットを作るアプリがチャートのトップ3を占めている。上からWidgetsmith(ウィジェットスミス)、Color Widgets(カラー・ウィジェッツ)、Photo Widget(フォト・ウィジェット)だ。Pinterestは、今この原稿を書いている時点で5位にいる。その下には、これもまたウィジェットのおかげでダウンロード数を伸ばしたMotivation – Daily Quotes(モティベーション・デイリー・クオッツ)がきている。一方、Tune Track(チューン・トラック)というアプリは、早くからウィジェットに対応していたのだが、これも8位につけている。有料アプリのチャートですら、トップにPhoto Widget、2位にクリエイティブ・デザインツールProcreate Pocket(プロクリエイト・ポケット)があり、その影響を感じさせる。

デザインツールがこのまま人気を維持できるかは、まだわからない。ショートカットによるアプリの起動にイライラしている人もいる。まずショートカットアプリに飛ばされ、その後に開きたいアプリが開く。もしアップルがこのデザイン変更のトレンドをうれしく思うのなら、自作ショートカットを作るときの中間のステップをなくして、もっと便利にして欲しい。

foula|「みんなホーム画面をPinterestのボードにしてる」

kendra「iOS 14の何がいいのかがわかった。Pinterestボードみたいなんだ」

Pinterestはダウンロード数についてコメントをしていないが、ダウンロード数が跳ね上がったのは、そのとき行われた有料ユーザー獲得キャンペーンのためではないと認めている。ダウンロードとiOS 14関連の検索の両方が有機的に影響して伸びたと考えていると同社は話していた。

「iOS 14用の壁紙とホーム画面のデザインの検索数が、今週、Z世代のユーザーの間で増加していました。2020年6月の時点で、前年比50%の伸び(Pinterestブログ記事)を示している年齢層です」とPinterestの広報担当者はTechCrunchに話した。「このピナーたちは、よくPinterestを美的なインスピレーションの情報源として利用し、ベッドルームなどオフライン空間の装飾に役立てています。そのため、オンライン空間のためのインスピレーションも求めるようになったことは興味深く感じます」と彼らは述べていた。

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(翻訳:金井哲夫)