電池劣化したiPhoneのパフォーマンスを近年のiOSが意図的に低下させていた件に関連して、アップルは「iPhone のバッテリーとパフォーマンス」と題したサポート文書で「電源管理機能(速度の低下)はiPhone 固有のもので、他の Apple 製品には適用されません」と明記しました。
ここで言う他のアップル製品といえば、iPadシリーズやiPod touchシリーズ。これらはバッテリー性能の劣化があったとしてもパフォーマンス低下をしないと、公式に約束した格好です。
2017年末に発覚して以来、いまだに物議をかもしているバッテリー劣化iPhoneの性能低下問題。フランスでも消費者団体がアップルを告訴したことを受けて、現地検察局が予備的調査に着手したことが報じられました。ロイター記事によると、フランスの国内法では「買い替え需要を高める目的で製品の寿命を故意に縮めた場合、年間売上高の最大5%相当の制裁金が科される可能性がある」とのこと。
アップルは2017年12月28日に「iPhoneのバッテリーとパフォーマンスについて、お客様にお伝えしたいこと」という文書を公開。電池劣化したiPhoneを意図的に速度低下させていたのは事実だが、予期しないシャットダウンを避けるための対策であること(新機種への買い替えを促すことが目的ではない)。そしてiPhone 6以降の端末でバッテリー交換が必要な場合、保証対象外の交換費用を現在の79ドル(8800円)から29ドル(3200円)へ改定すること(2018年末まで)などを発表しました。
速度低下を起こしている「電源管理」機能は、iOS10.2.1以降がインストールされたiPhoneで導入されたもの。同じくiOSに対応したiPadおよびiPod Touch(第6世代)にはこれまで言及されていませんでしたが、今回「他のアップル製品には適用されない」とサポート文書に記載され、疑いは払拭されました。
逆に考えれば「予期しないシャットダウン」への対策や、バッテリーの安価な交換サービスもないということ。いずれにせよ、われわれユーザーとしては製品そのものやバッテリーの寿命が尽きるその日まで、ガジェットを大切に使いたいものです。
Engadget 日本版からの転載。