iPad上で描いたアプリケーションワイヤフレームから、操作可能モックアップを生成するPentotype

開発者の方ならきっと興味を持つのではなかろうか。実際のコーディングを開始する前に、プログラムのワイヤフレームを共有して、ユーザーエクスペリエンスなどの視点から意見を募りたいと考える人は多いのではないかと思う。まさにそうした目的のためにリリースされたのが、PentotypeというiPad向け(HTML5に対応したデバイス上でなら使うことができる)アプリケーションだ。開発予定アプリケーションの外観を作成して、操作性などをテストすることができるのだ。

Pentotypeを使えば、iPad用のモバイルアプリケーションのワイヤフレームを作成することができる。HTML5で書かれているものだが、ネイティブアプリケーションのように動作する。利用者はアプリケーションのUI要素を配置して、そして実際のアプリケーションのように動作させることができるのだ。アプリケーションで提供する機能のシミュレーションを用意して、他の人に見てもらうことができるようになっているわけだ。評価やコラボレーション目的で利用することができる。

但し、これは実際のプログラミングを支援するツールではないことには注意が必要だ。即ち、コード生成機能などは用意されていない。コーディングを開始する前に、ユーザーエクスペリエンス面での評価を行うことが目的のツールなのだ。Pentotypeの共同ファウンダーであるThomas Wanschikは、「PaperとPOPの組み合わせに、画面上のスケッチ認識機能を付けたようなもの」と表現している。

Pentotypeはフリーミアムモデルにより提供される。無料モデルでは2つのプロジェクトを編集することができ、ここで自分にとって役立つものなのかを確認することができる。より多くのプロジェクトを作成したり、あるいは作業者を増やしたい場合などは有料版に移行する必要がある。有料版の代金については今のところ考慮中らしい。但しメールによって個別に対応してもらうことは可能なようだ。

サービスを設立したのはJohannes Dörr、Thomas Wanschik、そしてWaldemar Kornewaldという3人のドイツ人アントレプレナーで、一緒に開発を行なっている。設立から1年半ほど自己資金にて運営してきたが、この度ドイツ/EUのEXIST Gründerstipendiumというプログラムから少額(約12万ドル)の資金を調達することとなった。またドイツのPFH Göttingenという学生インキュベーションプログラムの対象でもあり、無料のオフィスおよびスタートアップ向けサービスを提供してもらっている。

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(翻訳:Maeda, H)


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TechCrunch Japan

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