スティーブ・ジョブズは「シンプルにするのは複雑にするより難しい」という名言を残した。Appleは安易な方向に進んでいないだろうか。今日(米国時間9/12)、iPhoneに新しいモデルが追加されたことで消費者は多数のモデルから一つを選ぶことを強いられるようになった。シリーズ、サイズを比較し、さらにカラーバリエーションやストレージ容量を決めねばならない。
整理してみると、
- 「小さくて安い4インチが欲しい」派」:iPhone SEは349ドルから
- 「ヘッドフォン・ジャックはどうしても必要」派: iPhone 6S、6S Plusは449ドルから
- 「未来に生きる。ヘッドフォンジャック要らない」派: iPhone 7、7 Plusは549ドルから
- 「新モデルが欲しいが大きいのはイヤ」派:iPhone 8は699ドルから
- 「大きいモデルが欲しいが200ドル節約したい」派:iPhone 8 Plusは799ドルから
- 「最高モデルでFaceIDが欲しい」派:iPhone Xは999ドルから
以前は5種類のシリーズだったが、今日のイベントの発表で3機種増えた。さらにシリーズのネーミングもSE、添字なし、S、Plus、Xと5種類になった。
一部のユーザーには選択肢が増えることは嬉しいニュースなのだろう。しかし一般消費者には「選択を間違ったのではないか?」という不安をかき立ててしまうだろう。
「しまった、どうしてもヘッドフォン・ジャックは必要だった」、「あと少し出せばベストのiPhoneが買えたのに」、「表示は美しいが片手では操作できない」などという後悔が頻繁に聞かれることになりそうだ。
カメラ、自動車、テレビなどのテクノロジー製品を買うときにはどうしても面倒なスペックの比較がつきものだ。しかしAppleはシリーズを簡素化することによって「Appleの製品を買っていれば最良の製品を買ったことになる」という安心感を消費者に与えていたのでなかったか。しかし製品のシリーズが複雑化すると選択は難しくなるし、買った後での後悔も起きるようになる。契約しているキャリヤで使えないモデルが欲しいということになると、諦めて使えるモデルで我慢するか大変な手間をかけてキャリヤを変えるかしなければならない。
個人的な意見としては6と7のシリーズの販売を止めるべきだ。こうすればシリーズは小型、最新型の大型、小型、大型豪華版に集約できる。.
本当に優れたテクノロジーはテクノロジー製品であることを感じさせないものだと言われる。しかし「選択を間違ったかもしれない」という小さな声が頭の中でいつまでも聞こえているようでは本当に優れたテクノロジー製品とはいえないだろう。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)