iPhone 6のカメラはやはりすごい―とうとうコンデジを捨てる決心がついた

私は私生活でも仕事でも写真を撮りまくるので、常に強力なコンパクト・デジタルカメラを持ち歩いてきた。 しかしスマートフォンのカメラの進歩で、遅かれ早かれコンデジの出番がなくなる日が来るはずだとは予想していた。 iPhone 6と、さらに写真撮影に向いているiPhone 6 Plusの登場でついにその日が来たようだ。下でその証拠となる作例をお目にかけよう。

スペックではiPhone 6/6 Plusのカメラは昨年登場したiPhone 5sのカメラからそう変わっていないように見えるかもしれない。しかしAppleのハードウェアはおしなべてそうだが、スペックの数字を一覧しただけでその真価は分からない。6 Plusの手ブレ補正機能はもちろんだが、iPhone 6のカメラにしても5sに比べてユーザー体験、撮影結果の面で大幅に進歩している。画像はよりくっきりし、色のレンダリングもはっきり向上した。AF速度の向上は即座に体感できる。特に暗いシーンでの画質向上が著しい。


実際、この低光量(もちろんフラッシュを使わない場合)の画質向上こそ、コンデジを捨ててiPhone 6をメイン・カメラにする決心をさせた最大の要素だ。バーやパーティーなど夜の外出に私は大型撮像素子のコンデジを持っていく。最初はCanonのS100で、その後Sony RX-100(第1世代)に変えた。こうしたカメラは、フラッシュを焚いて人に嫌がられることなく、隣に座っているのが誰だかかろうじて見分けがつくぐらいの真っ暗なバーでも写真が撮れた。しかしデジイチやミラーレスに比べればずっと小さいとはいえ、やはり高級コンデジは常時携帯するにはかさばる。


しかしiPhone 6/6 Plusを実際に使ってみて、低光量での写真が十分以上に使いものになることがわかった。もちろんデスクトップ・パソコンの大画面で表示すればノイズが目立つし、周辺の解像度も甘い。しかしiPhone自体のディスプレイで見た場合はすばらしくきれいだし、Facebook、 Twitter、Instagramに投稿した場合も十分な画質だ。

新しいiPhoneの解像度と画質は、普通の人間の98%のユースケースで十分以上のものがある―いや、私のようなカメラ・フリークにとってさえ十分だ。コンパクト・デジタルカメラにまだ居場所があるという幻想は最終的に消えていこうとしている。

それでも私はカメラ・ファンだし、この先もずっとカメラのダイヤルをまわすかっちりした感触を楽しみ続けるだろう。しかし、普段持ち歩くためにデジイチとは別にもっと小さいカメラを持つことを正当化できるような理由は、iPhone 6でついに消滅した。私は仕事では今後も巨大なデジイチを持ち出すだろう。しかし今やiPhoneのカメラは、サンプル写真でもわかるように、クローズアップでの背景のボケさえ描写できるようになった。言うまでもないが、街なかで人の注意を引かずにスナップを撮るにはiPhoe以上のカメラはない(もっともゴールドのiPhone 6 Plusはずいぶん注意を引くだろうが)。



iPhone 6の登場でスマートフォンのカメラはコンデジにいつか追いつけるだろうかという議論は終了した。今後、スマートフォンのカメラはそれ自身としてどれくらい優れているかについて論じられることになるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+