iPhone SEは2016年3月の発売からまる2年が経過しようとしています。この記事ではもうすぐの発表が予想されるiPhone SE 2(仮)について、現在出ているうわさをまとめてみました。
アップルが2年前に発表・発売したiPhone SEは、iPhone 5 /5sのデザインを踏襲し、4インチディスプレイも、女性や手の小さな人でも片手で操作できるところが好評価を得ています。発売から1年後の2017年3月には、iPhone 7の (RED)スペシャルエディション 、9.7インチiPad発表の陰で、ストレージ容量を「16GBまたは64GB」から「32GBまたは128GB」へ底上げする手入れがなされました。
そして、発売からまる2年が過ぎようとしている2018年の3月を迎え、ラインナップ継続を前提に考えればそろそろiPhone SEにもストレージ以外の仕様をアップデートする新モデルの投入があっても良いと思われる時期になりつつあります。
では、iPhone SE 2(仮)はどんなモデルになるのでしょうか。各部にわけて現時点であがっているうわさを見てみましょう
デザイン
iPhone SE はiPhone 5 /5sをベースとした、エッジのあるデザインが特徴です。いろいろと出回っているアーティストによるコンセプトCGを見れば、iPhone SE 2(仮)も基本的にそのイメージを踏襲することが期待されています。ただ、背面にはiPhone XやiPhone 8 /8 Plusとおなじくワイヤレス充電対応のためガラス素材が採用されると予測されています。
筐体デザインに手が入る場合、iPhone SEには残されているイヤホンジャックが他のモデル同様に廃止されてしまう可能性も考えられます。
なおデザインのコンセプトCGはいわばアーティストによる自由な発想で描かれたものであり、iPhone 6 /6s以降と同様のラウンドシェイプになると予想するものもあれば、iPhone Xのように全面ディスプレイ化したもの(後述)を描いた予想CGもあります。
仕様
うわさの段階なので、当然、技術的仕様についても推測レベルの話しかできません。だれでも考えられる変更としては、まずCPUのアップデートが入るだろうということがあげられます。現行のiPhone SEではA9チップが採用されていますが、iOS 12対応のためこれがiPhone 7と同じA10チップに置き換わると考えられます。
他の部分は価格や現行モデルとの差別化もあり、出ているうわさを総合するとRAMは2GBで据置き、背面カメラも12MPで据置き、自撮りカメラは1.2MPからiPhone 6sと同じ5MPに更新、そしてストレージは32GBおよび128GBの2種類になるといったところ。
その他としてはバッテリー容量が1640mAhから1700mAhへ微増するとの予想があります。その根拠はディスプレイサイズが4インチから4.2インチになるとのうわさから。現状のiPhone SEに比べて、ベゼル幅が狭まった結果、わずかに画面サイズが大きくなるとされます。ただ基本的にはTouch IDつきホームボタンがある従来どおりのデザインにおちつくとの予想です。
なお、この4.2インチディスプレイの採用について9to5Macは「ほとんど意味をなさない」と否定的な見方を示しています。また信憑性は定かでないものの「5.7~5.8インチディスプレイを採用して5~7月に発売」という報道もありました。
発表・発売の時期
当然ながら未発表製品のiPhone SE 2の発売がいつになるかはまだわかりません。しかしまず発表が例年3月後半に行われている新製品発表の場になる可能性は高そうです。Focus Taiwanは2017年、サプライチェーンの動向などから“新しいiPhone SE”が2018年第1四半期に発売されると予想していました。
ただ春のイベントは実際にイベントとして開催となるか、しれっとアップルストアを更新して新製品を発売するだけかは、新製品の注目度によって変わると思われます。
価格帯
アップルオンラインストアにおけるiPhone SEの価格は32GBモデルで3万9800円、128GBモデルで5万800円。もともと低価格なiPhoneとして登場したと考えれば、iPhone SE 2 (仮)が出たとしても価格は据え置きかほとんど変わらないはずです。
実は、iPhone X SE(仮) が出る?
iPhone SE 2(仮)と同じものかどうか判断しかねるものの、iPhone Xと同様に全面ディスプレイ化したiPhone X SE(仮)とでも言うべき新製品に関するうわさも出ています。これはiPhone Xの高すぎる価格への対応として、国によってはiPhone Xの安価なバージョンとして新製品を投入するというもの。台湾の経済日報はそれが6月のWWDCで発表、2019年に発売されるとの見方を示しています。
高級モデルとして登場したiPhone Xに安価なSEバージョンを出すというのは、なんだか矛盾しているようにも思えます。もし本当にiPhone X SEを投入すれば、現行のiPhone 8 /8 Plus(またはその後継モデル)と競合する可能性がすこし心配です。
逆にちょっとしたアップデートでお茶を濁す?
アップル関連のうわさ情報に詳しいKGI証券アナリストのMing-Chi Kuo氏は、iPhone SE 2投入に関して否定的な意見を述べています。Kuo氏の報告によれば、アップルは現在iPhone XおよびiPhone 8 /8 Plusそれぞれの後継モデルの開発で手一杯であり、iPhone SEラインの完全な新設計までカバーする余力がないのだとか。仮にiPhone SE 2なる新製品が出るにしても、iOS 12に対応する、世代の新しいCPUに更新して価格を安くするぐらいだろうとしています。
iPhone SEの役割
iPhone SEは、人気を誇りつつもいったんは消えたiPhone 5 /5sのデザインやサイズ感を気に入っていたユーザーおよび、安価なiPhoneを求めるユーザーのために発売されたモデルだと考えられます。それであれば、現行のiPhone SEユーザーに大幅なデザイン変更というニーズがあるのかは疑問が感じられます。むしろいまのデザイン、サイズ感を維持しつつ、CPUなど時代遅れになりつつある仕様面のアップデートを計るのが、妥当な進化のさせかたでしょう。
一方、高級仕様のiPhone Xが高すぎるからと、あえてそこにSEバージョンを持ってくると言う話にはやや疑問も感じられます。iPhone Xを高いと思う人はiPhone 8 /8 Plusを選択すれば済むことであり、アップルも全面ディスプレイやFace IDをひろく採用したいのであれば、先にiPhone 8 /8 Plusの後継モデルで採用するはず。
ただ、販売する国などの様々な事情によっては、高すぎて多くの人が購入できないiPhone Xの魅力をさらに伝えるために、その安価なバージョンを用意するという話はありえるのかもしれません。
ながながとiPhone SE 2(仮)に関するうわさについて調べてみました。ただ、アップルが例年どおり春の新モデルを投入するのであれば、もう数週間もしないうちにそれはやってくるはずです。もしそうでないならばiPhone SE 2(仮)の大幅な刷新や、もしかすると本当にiPhone X SE(仮)の投入もありえるのかもしれません。
Engadget 日本版からの転載。