iPhone/iPadのユーザサイド全生涯のニーズに付き添うiCrackedが「中古機買い取り人見つけ」サービスを開始

壊れたiPhoneやiPadの修理で知らない間に一大帝国を築き上げたY Combinator出身のiCrackedが、古いiPhoneを買い取ってくれる人を見つけるサービスを立ち上げた。

今週はiPhone 5sと5cが出たばかりだから、この、レッドウッドシティに30名の社員を抱えるスタートアップにとっては絶好の機会だった。iCrackedは元々、カリフォルニア州立理工科大学(California Polytechnic State University, 通称: Cal Poly San Luis Obispo)の学生寮から生まれ、当時は、協同ファウンダのAJ ForsytheがiPhoneを安く修理してくれる人物として評判になっていた。

彼は自分のそのスキルをビジネスにして軌道に乗せ、今年は修理キットの販売や、修理や買い取りをしてくれる契約社員(通称iTech)の展開により、8桁の売上を計上しそうだ。iTech契約社員は世界中に400名あまりいる。

これまで同社は、郵送されてきたiPhoneに対する買い取りサービスを提供していたが、その規模は各月数千台と小さかった。

しかし今日立ち上げたサービスでは、iPhoneやiPadを買ってくれる人を数時間以内に見つけることができる。買い取り価格はストレージのサイズや機器の状態、型式などで違うが、最新の機種では最大で数百ドルぐらいを払ってくれる。今の利用可能地域はサンフランシスコのベイエリアだけだが、今後拡大する予定だ。来月はカリフォルニア州南部、次がニューヨークだ。

ねらいは、敷居を下げることによって、きわめて多くの消費者にiPhoneやiPadを気軽に売買してもらうことだ。

“これまでの他社の買い取りサービスは、支払いでもめることがとても多かった”、と同社のCCO(chief commercial officer) Paul Iliyaは言っている。

同社でiPhone/iPadを売りたい人は、このページから始める(下図)。まず、売りたい品物に関する基本情報(型式、ストレージなど)を共有する。

住所や連絡先情報も共有する。やがてどこかのiTechが連絡してくるから、アポイントを取り付ける。商談は数時間以内に始まり、まずデバイスの写真を数枚撮る。IMEI番号やシリアルナンバーにより、盗品でないことを確認する。そして譲渡が成立する。

いちばんクールなのは、iCrackedが売り手にデバイスの価値に相当する額のデビットカードを渡すことだ。同社はこのシステムを1年かけて作り上げた。個々のiTechたちが数百ドル数千ドルを手にしてそこらをうろうろするのは、やばいのだ。支払いでもめる、の轍を踏むことになりかねない。このシステムなら、iTechがデバイスを受け取ったときにその場でデビットカードにお金を載せ、それを渡す。

そのあとは、ふつうのデビットカードの使い方と同じで、ATMで現金化したり、買い物の支払いに使ったりできる。個人間の取引は長くても15分以内で終わる。

このサービスを通じてiCrackedは、デバイス取引の’AAA’(トリプルA)になることを目指している。

“このビジネスを作りたかったのは、デバイスの生涯のどの時点でもiCrackedが頼りになる、という状態を目指したからだ。その生涯には、修理したい、売り/買いたい、アフターサービスを受けたいなど、いろんなニーズが発生するからね”、とIliyaは言う。

iCrackedは最近Y Combinatorからシード資金を獲得したばかりで、その投資ラウンドにはYCの関連会社Start Fundや、Elad Gil、Roger Dickeyなどのエンジェルたちも参加した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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