JavaScriptのためのパッケージマネージャnpmが$8Mを調達、企業向け有料サーバとプライベートモジュールをローンチ

4772680734_489299f43f_o

JavaScriptデベロッパには、 Isaac Schlueterが作ったパッケージマネージャnpmのことをよく知ってる人が多い。でもnpmが、npmプロジェクトをサポートする会社の名前でもあり、Schlueterがそこの協同ファウンダであることは、あまり知られていない。今日(米国時間4/14)同社は、2月のTrue Ventures率いるラウンドによる260万ドルのシード資金に加えて、新たに800万ドルの資金を調達したことを発表した。

今回のリード投資家はBessemer Venturesで、BessemerのパートナーEthan Kurzweilがnpmの取締役会に加わった。

Schlueterは、Node.jsのファウンダRyan Dhalが2012年に辞めて以降、2014年までNode.jsプロジェクトの管理も務めた。そしてその間、多くの投資家たちに、npmへの投資を打診してきた。その際、投資家たちにはNode.jsとnpmについて一から説明しなければならなかったが、Bessemerだけは前からNodeへの投資に関心があり、その流れでnpmへの投資にも乗った。

シード資金を獲得してから最初にnpmがローンチした、初めての有料ツールがnpm Enterpriseだった。それは企業がファイヤーウォールの背後でパッケージマネージャを動かし、セキュアにJavaScriptのモジュールを共有できる、ユーザ一人あたり月額20ドルのサービスだ。

今日同社は、npmモジュールをプライベートに保ちたいデベロッパのための類似のホスティングサービスを立ち上げた。そのコンセプトは、GitHubが企業向け以外からサービスの収益化を図ろうとしているやり方に似ている。GitHubの場合と同じく、npmのリポジトリ内のプロジェクトはデフォルトではパブリック(一般公開)だ。しかし月額7ドルでデベロッパは自分のモジュールをプライベートにでき、同じく有料のユーザとのみアクセスをシェアできる。ファイヤーウォールを使わない小企業などでは、これにより容易にnpmを利用でき、複数のプロジェクト間でコードを再利用できる。

Schlueterによると、プライベートなレジストリはnpmのユーザからいちばん要望の多い機能だったが、複数のユーザのプロジェクトが同社のサーバ上にある場合のセキュリティ、とくにデータの保護の実装にかなりの時間を要した。

今回の新たな資金は、npmのプロダクトロードマップを前進させるための社員増に充てられる(現在は11名)。Schlueterは、デベロッパの生産性について、こう考えている: “うちのレジストリを240万人のユーザが毎日のように使っているのだから、確実な信頼性が必要であり、それを担保するためには人が要る。少ない社員を酷使するよりは、‘持続可能な’形の会社にした方がよい”。

そこでnpmの求人サイトにも、“初期段階のスタートアップにありがちな‘仕事も徹夜/遊びも徹夜’タイプは要らない”、と書かれている。“成功に向かうための最良の道は、自分と家族とユーザと、そしてお互いをたいせつにすることから始まる”、のだと。残念ながら今のスタートアップがこんな家訓を守るのは難しいが、でもSchlueterは、それこそが成功の基盤だと信じている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。