Androidスマートフォンが、昨年末ホリデーシーズンの覇者となった。Android搭載機種の中でもサムスンが絶好調だ。但し、アメリカおよび日本ではiPhoneがトップということになったらしい。この統計を出しているのはKantar Worldpanel Comtechだ。WPPの一部門で、12週間毎に携帯電話の販売統計を出している。また、MicrosoftのWindows Phone OSは、アメリカおよび中国という巨大市場で苦戦が続いているようだ。ヨーロッパでは普及に向けた多少の兆しも見られるようだが、未だにほとんどのところで一桁パーセントの普及に留まっている。
スマートフォン利用率は各国で増加傾向にあり、従来型フィーチャーフォンを上回りそうになっている場所も増えてきている。Kantarによると、スマートフォンの普及率で言うと調査対象国の中でイギリスが最も高く、61%にのぼるのだそうだ。2番手につけているのはオーストラリアで54%、3位がフランスで46%となっている。以下、次のように続く:イタリアとスペインが双方45%、アメリカが42%、中国が39%、ドイツが38%、そして日本が24%(日本では携帯電話の普及率が高く、スマートフォン以前からずっと使っているという人が多いのだろう)。
各地で好調なスマートフォン市場だが、ここを引っ張るのはAndroidだ。12月23日までの12週間におけるスマートフォン売り上げを見ると、さらにリードは広げそうな様子だ。たとえばスペインでは販売されたスマートフォン中、なんと87%がAndroid端末となっている。また拡大しつつある中国でも4分の3近く(72%)がAndroidという状況になっている(その他のデータは末尾に掲載しておいた)。
Androidの中で見ると、首位のブランドはサムスンだ。Kantar Worldpanelのグローバルコンシューマーインサイト部門のディレクターであるDominic SunneboがTechCrunchに話してくれたところによると、ヨーロッパの5大市場(イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、そしてスペイン)における全携帯電話中でサムスンデバイスが占める割合は43%にのぼるのだそうだ。ちなみにアメリカでは27%、オーストラリアでは32%、そして中国都市部では23%だとのこと。但し日本ではこれが6%にまで落ち込む。9つの市場を合算すると、サムスンの販売台数シェアは27%になるのだそうだ。
Appleの強さが光っているマーケットもある。たとえばアメリカ市場もそのひとつだ。iPhone 5が好調で、iOSがスマートフォン全体の中で51.2%を占める。これは昨年比で6.3%伸びている。また日本はiPhoneとAndroidのギャップが最も大きな市場と言えそうだ。iPhone率は66%で、Androidは32%となっている(日本については昨年途中からデータを取り始めたばかりで、過去のデータと比較することはできない)。
ところでKantarは、Androidも飽和点に近づきつつあると分析している。「飽和点」という言葉には2つの意味があるだろう。つまりひとつはスマートフォン全体にわたっての飽和状態だ。フィーチャーフォンからスマートフォンに買い換える需要は一段落し、これからは購入者が減っていくだろうというもの(メーカー全体にとって悪いニュースだ)。また、Androidに対する「飽き」のようなものを意味するものでもあるだろう。たとえば新しいもの好きな消費者などは「次のターゲット」を探して動き出すこともあるとのこと(シェア拡大を狙っているMicrosoftはこれに賭けたいところだろう)。
但し、Kantarの分析では前者の意味が強いようだ。Sunnebo曰く「2012年末の統計では、スマートフォンに用いられるOSの中で、Androidが勝利していました。しかしこの1年での利用者増加率は確実に落ち込んできています。初めてスマートフォンを購入するという人が減ってきているのです」とのこと。
Windows Phoneについてはどうだろうか。ヨーロッパでそれなりの人気を獲得しているのは、現地におけるノキアのブランド力によるところが大きいのだろう。イタリアでは未だにSymbianユーザーがかなりの数にのぼる。昨年末時点のスマートフォン販売台数のうち、20%をSymbian OS搭載機が占めていた。前年比で5%減少はしたものの、まだこの割合を保っているのだ。そしてノキアが大好きだという人が、自然とLumiaに移行しつつあるということもあるのだろう。ハイスペック機と普及機の双方を用意したのも成功だったようだ。ノキアにとってみれば、もっとはやくSymbianから移行すべきだったということになるのかもしれない。そうすればもう少し多くの利用者を獲得できた可能性もありそうだ。
但し、そうは言ってもヨーロッパの主要マーケット全体で見ると、Windows Phoneの占める割合は5.4%に過ぎない。
さらにMicrosoft(およびノキア)は2大市場における結果が全く出ていないのも心配な点だ。Sunnebo曰く、アメリカと中国においては「全く芽が出ていない状態だ」とのこと。アメリカにおけるWindows Phoneの販売割合は2.6%で、中国(ここでも一時Symbianがトップの人気を集めたことがある)では1%にも満たないようだ。「2013年もMicrosoftは苦戦を続けることになりそうです」とのこと。
Kantarは、スマートフォン率が61%に達したイギリス市場についての詳細もレポートしている。メーカー比較ではサムスンがAppleを僅差でリードしているとのこと。販売数中、サムスンが35%を占め、Appleが32%となっているのだそうだ。ちなみにノキアについては「状況が変わりつつあるようです」とのこと。Windows PhoneとSymbianをあわせても6.2%となっているのだ。昨年同時期には50%以上を占めていたのだった。またRIMも在庫がなかなか売れない苦しみを味わっている。RIM好きもBB10を待っているという状況もあるだろう。しかしBlackBerryの率は、わずか6.4%に留まっている。
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(翻訳:Maeda, H)