先週金曜日(米国時間4/25)、MicrosoftがついにNokia端末事業の新オーナーとなったが、モバイル端末メーカーとしての新しいポジションは、Nokiaがここ数年間続けてきた挑戦と変わらず厳しい。
Kantar Worldpanel ComTechによる最近12週間の調査結果によると、Windows Phoneはヨーロッパ上位5ヵ国(英国、フランス、スペイン、イタリア、ドイツ)のスマートフォン販売の8.1%を占め、Androidが70.7%、iOSが19.2%だった。
現時点でヨーロッパはWindows Phoneにとって最良の市場のようだ。米国ではWindows Phoneは5.3%、オーストラリアでは6%弱、中国では1%、そして日本では1%に満たない。
何が起きているのか。簡単に言えば、Nokia等の端末で動いているWindows Phone OSは、ヨーロッパ、米国、およびアジアのスマートフォン販売における、遠く離れた第3位だということだ。
KantarのDominic Sunneboディレクターによると、Windows Phoneにとって大きな課題は、主要OEMであるNokiaが、新しいスマートフォンユーザーにエントリリーレベル端末を売り込む戦略に出ていることにあるという。問題はこれらの機種がAndroid勢と十分戦えていないことだ。
「Nokiaのエントリー機は、Motorola、LG、SamsungのローエンドAndroidスマートフォンとの厳しい戦いに晒されている。低価格市場において、Motorola(Moto G)やSamsung(大きく値引きされたS3およびミニ)がNokiaの領域に食い込み始めている」
「ハイエンドとローエンドの差異は非常に小さくなっている。これはNokia(優れたエントリー機を作っている)にとって有利に働くが、優れたスペックを中低価格で提供しているのはNokiaだけではない」
Appleが依然としてハイエンド機でAndroid勢力と戦っているのは興味深い。Sunneboによると、ヨーロッパ、日本、オーストラリアでは最上位機種の5Sモデルが「好調」で反撃に転じているという。
しかし「反撃」や「好調」というのは相対的な話であり、AndroidとiOSとの差は開き続け、Androidの販売はKantarが調査した内5つの市場で70%以上を占めている。
ただし、AppleがAnroidを圧倒している特別な市場もある。日本ではAppleが依然としてスマートフォンのブランドを支配しており、57%を占めている。具体的には、NTT Docomoのスマートフォンのうち42%、KDDI AUの59%、Softbankの81%がそれぞれiPhoneだ。
なぜか? Appleのデザイン、4G通信、および信頼性が日本の消費者に共鳴したからだろう。「日本のAppleに対する熱愛ぶりは劣えを見せない」とSunneboは言う。さらに、iPadへの波及効果も指摘しており、日本のiPhoneユーザーの1/4近くがApple製タブレットも持っている。
しかし、AppleがiPadとiPhoneの間にかなり大きな空間をあけているのに対して、アジアで起きているのは両者の中間サイズの人気上昇だ。中国では、5インチ以上の画面サイズがスマートフォンの40%を占めている。
「ファブレットは中国消費者のスマートフォン利用形態を変えつつある。ファブレットユーザーの5人に1人以上が毎日モバイルテレビを見ており、半数が月に1度は見ている。これは4Gが普及していない状況でのことだ。中国で4Gが広まれば、キャリアーはデータ通信による売上増を期待できるだろう」
Appleは、事実上旧モデルと低ストレージ機で新スマートフォンユーザーにアプローチする戦略を取っているが、果たして今後は別の方法を取るのか、あるいはiPhabletで市場に飛び込むのか興味深い。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)