KDDI ∞ Labo第5期最優秀チームは女子向けブランド古着オークションアプリ「スマオク」

KDDIと世界に通用するインターネットサービスを作り出しましょう――。こうしたビジョンでKDDIが2011年8月にスタートしたインキュベーションプログラム「KDDI ∞ Labo(KDDI無限ラボ)」の第5期プログラムが終了した。1月24日には第5期参加チームが東京・ヒカリエでプレゼンを実施。最優秀チームには女性向けブランド古着オークションアプリ「スマオク」を運営するザワットが選ばれた。第5期プログラムは2013年9月から12月まで実施し、KDDIが「独自性」「市場性」「完成度」の観点で最優秀チームを選定した。


肉食女子が入札するブランド品の“時短”オークション「スマオク」

スマオクは、女性アパレルのブランド品・ブランド古着に特化したオークションアプリ。スマホのカメラで撮影するだけで出品できる手軽さが特徴。忙しい人でも利用できるようにするために、24時間で落札者が決まる“時短オークション”を採用。同じ個人間取引でもフリマアプリと比べて値下げ交渉が少なく、むしろ「肉食女子が一生懸命入札を繰り広げる」(ザワットの原田大作社長)ため、商品が高く売れる傾向があるという。24日には入札がなかった商品をスマオクに無料配送し、スマオクが複数店舗と買取値段を交渉し、最も高い買取金額でユーザーから商品を買い取るサービスも開始した。

運営元のザワットは、ソーシャルクラシファイド広告「WishScope」(関連記事)やソーシャルカラオケマッチングサービス「ohaco(オハコ)」(関連記事)なども手がけている。


ユーザー参加型の図鑑版Wikipedia「ズカンドットコム」

続いて紹介するのは、プレゼンを鑑賞した来場者からの投票が最も多かったチームに与えられる「オーディエンス賞」を受賞したズカンドットコム。同社が手がける「ズカンドットコム」は、複数のユーザーで画像や知識を投稿して作るウェブ図鑑。自分で写真を投稿・分類したり、コミュニティで質問することができる。生物だけでなく、フィギュアや切手などのコレクション、駅や山、島などの風景写真など、「みんなで集めてみたら面白そう」なものはほとんど図鑑にすることができるという。例えば「WEB魚図鑑」には約2900種、約3万7000データが投稿され、月間30万人がアクセスするのだとか。Googleで「魚」と検索すると同図鑑は上位に表示される。24日にはあらゆる図鑑にアクセスできるiPhoneアプリも公開。魚の写真を投稿するだけで魚の名前がわかる機能は「専門家に匹敵する詳しさ」(ズカンドットコム)という。


駐輪自転車撤去の悲しみにサヨナラするための「PEDALRest(ペダレスト)」

駐車場やマンションなどの遊休スペースのオーナーに簡易の駐輪設備を提供して駐輪場に転用し、自転車通勤をしたくてもオフィス近くに駐輪場がない人をマッチングするサービス。駐輪場はネットで検索でき、利用する場合は月額課金となる。2013年7月1日には、自転車通勤を認めている事業者に対して、従業員が駐輪場を確保しているかの確認を義務付ける都条例が施行。こうした背景もペダレストの普及を後押しするかもしれない。24日には渋谷、目黒、世田谷の3区でオープンβ版を開始。サイト上では駐輪場開設の希望をマップ上に登録できるリクエスト機能も用意している。

使えば使うほど得する家計簿アプリ「Dr.Wallet」

スマホでレシートを撮影するだけで、専属のオペレーターがデータ化し、自動で家計簿が付けられるアプリ。機械で文字を認識するOCRを使った家計簿アプリと比べて、人力でデータ化するため文字の認識精度が高いのが特徴という。24日には森永製菓、コクヨ、カンロとタイアップし、各社の対象商品のレシートをアップロードした人の中から抽選でAmazonギフト券500円分をプレゼントするキャンペーンを開始。今後は特定メーカーの対象商品が記載されたレシートを撮影したユーザーに対してクーポンを配信するなど、「使えば使うほど得する仕組み」も導入したいという。

無料で受講できる中学生向けオンライン学習塾「アオイゼミ」

中学生向けの学習コンテンツを配信するサービス。毎週月曜日から木曜日に配信するライブストリーミング授業を無料で受講でき、授業中には講師に質問したり、講師からの質問にも答えられる。「みんなで勉強している一体感」によって、受講生のヤル気を刺激して学習が継続できるが特徴という。通常の学習塾が教室テナント代などにかかる運営コストを抑え、教育の品質を落とさないようにしているのだとか。過去の授業動画を繰り返し見たり、個別サポートが可能な月額プレミアム課金が主な収益源。24日には、今春から高校生向けに学習コンテンツを配信することも明らかにした。

無限ラボは「0から1」を生み出すインキュベーションに

KDDI無限ラボは2011年8月の開始以降、24チームを輩出。第6期プログラムは3月のスタートに向け、1月24日より参加チームの募集を開始した(エントリーページ)。ラボ長を務める江幡智広氏は、「無限ラボの役割はワクワクするサービスを世の中に生み出すこと。そのために、0から1を生み出すという意味を込めて『ゼロイチ』をコンセプトに掲げていく」と説明し、KDDIとともに世界を変えていきましょうと来場者に呼びかけた。

なお、第6期プログラム以降の参加チームについては、以下のように応募要件を変更することも発表している。

1)外部公表前のサービスに限定する
2)チームメンバーにエンジニアがいて、3カ月間のプログラム期間中にサービスがリリースできること
3)外部法人(VCや事業会社)からの資金調達がないこと


投稿者:

TechCrunch Japan

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