Landing AI(ランディングAI)は、主力製品の発売からわずか1年余りで、製造業者がより簡単かつ迅速に人工知能システムを構築・導入できるツールの開発を続けるために、5700万ドル(約64億5000万円)のシリーズA資金を獲得した。
元GoogleとBaiduのAI第1人者であるAndrew Ng(アンドリュー・ン)氏が立ち上げた同社は、AIとディープラーニングを応用して製品の欠陥をより迅速かつ正確に見つけることができる目視検査ツール「LandingLens」を開発した。ン氏は、産業界はAIの構築にデータセントリック(=データ中心)アプローチを採用すべきだと述べている。これは、メーカーがAIモデルに何をすべきかを教えるためのより効率的な方法を提供するもので、マウスを数回クリックするだけで高度なAIモデルを1日足らずで構築できるノーコード / ローコード機能を備えている。
「我々はデータセントリックAIのムーブメントをキックオフし、他の企業がそれを話題にし始めたことを非常に喜ばしく思っています」。と同氏はTechCrunchに語った。「製造業では、工場ごとに異なることをしているので、多くのマンパワーを雇うことなく、1万社のメーカーが1万種類のモデルを作るのをいかに支援するかが問題になります」。
マッキンゼーの調査によると、AIは2030年までに世界の経済に13兆ドル(約1470兆円)の実現価値を生み出すと予想されている。ン氏は、さまざまなAIモデルを構築することが依然として困難であるため、まだその多くが実現されていないと語る。
同氏は、Landing AIがこれらのモデルを構築するためのコードを解明したと考えており、製品のマーケットフィットを確認し、製品をより良くするためにチームを拡張できるようにしたいと考え、シリーズAラウンドを調達した。
インダストリアルIoT(IIoT)に特化した投資会社であるMcRock Capitalがこのラウンドを主導し、Insight Partners、Taiwania Capital、Canadian Pension Plan Investment Board(CPP Investments)、Intel Capital、Samsung Catalyst Fund、Far Eastern GroupのDRIVE Catalyst、Walsin Lihwa、AI Fundが参加した。
Landing AIは製品の構築に向けて前進しているが、ン氏は、同社がデータセントリックAIムーブメントの初期段階にあることから、さらなる進歩を遂げ、まだ不足している技術を革新していきたいと述べている。
例えば、以前、3億5千万のデータポイントを持つ音声認識システムを構築した際、それだけ多くのデータポイントのために発明されたAI技術は、欠陥を見つけるための画像が限られている製造現場ではうまく機能しないことがわかったという。データセントリックな動きの一環として、50枚以下の画像を活用して、何が欠陥なのかを明確に示すことで、ドメインエキスパートを支援するツールを開発している。
ン氏は次のように述べている。「当社はこれが機能する段階に達しており、すべてをスケールアップしたいと考えています。どうやってレシピを解読してAIを他の業界に持っていくか、何年も前から関心を持ってきましたが、データセントリックAIでようやくそれが実現しつつあります」。
画像クレジット:Landing AI
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(文:Christine Hall、翻訳:Aya Nakazato)