テクノロジーを活用し業務プロセスのデジタル化を推進するLayerXは12月16日、改正電子帳簿保存法の施行を見据えた新サービス「バクラク電子帳簿保存」の正式リリースを発表した。AI-OCR機能の提供により、請求書・領収書・契約書など、法対応が必要なあらゆる国税関係書類を自動入力し、改正電子帳簿保存法に準拠した形で検索・保管(スキャナ保存・電子取引データの電子保存)が可能となった。
また基本利用料は無料で利用できるため、現在対応を検討している企業も電子帳簿保存法の対応開始を行いやすいという。利用機能などに応じた有料オプションも用意しているそうだ。
バクラク電子帳簿保存は、2022年1月1日施行の電子帳簿保存法のシステム要件に対応したサービス。請求書や見積書など、あらゆる国税関係書類を電子上で保管可能となる。例えば同サービスでは、認定タイムスタンプを付与するため、事務処理規程の整備が必要ない(業務フローによっては規定整備が必要な場合もある)。
合わせて今回の正式リリースにより、AI-OCRが利用可能になった。国税関係書類のデータをAI-OCRが自動入力し、改正電子帳簿保存法に準拠した形で検索・保管できる。
バクラク電子帳簿保存の主な機能
- 認定タイムスタンプの付与
- 訂正履歴・削除不可
- 検索機能(取引年月日・取引金額・取引先)
- 書類のスキャナ保存・電子取引かを推定した上で、スキャナ保存要件の自動検証
2022年1月1日より、経理の電子化による生産性の向上などを目的に、改正電子帳簿保存法が施行され、請求書・領収書・契約書など国税関係書類の電子化のための法令要件が大幅に緩和される。
改正電子帳簿保存法の概要(国税庁「令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しについて」)
- 電子保存する際に従来求められていた税務署への事前承認制度が廃止に
- 紙で請求書等を受領した際のスキャナ保存にあたり、適正事務処理要件の緩和、原本への自署の不要化など電子化後すぐに原本の廃棄が可能に など
ただしこの改正により電子取引データの厳格な保存が求められており、メールなどで送受信するPDFの請求書などは、2022年1月1日から印刷して保管できなくなり、法的な要件を満たしたシステムなどでの保管が必要となる。電子保存を行う積極的な意図がなくとも法対応が必要になるケースも想定されているという(令和4年度税制改正大綱において、2023年12月31日までは、PDFなど電子データで受け取った書類の電子保存義務が2年間猶予され、紙のままの保存を認める経過措置が盛り込まれることが発表された)。
こうした状況を踏まえ、低労力かつ短期間での改正電子帳簿保存法対応を実現し、様々な企業の経理DXを後押しすべく、同サービスの提供に至ったという。