フランスのスタートアップLedgerが、今週のCESで新しいハードウェアウォレットを発表した。デバイスは3月まで出荷されないが、私はデバイスのプロトタイプ版を試用させて貰えた。このLedger Nano Xは、以前のNano Sと似たようなものだが、今回はモバイルでの利用が可能だ。
同社が以前のハードウェアウォレットを発売したのは、暗号通貨ブームが起きる前で、7500万ドルに及ぶ資金調達もまだ行っていなかった頃だ。当時のユーザーエクスペリエンスは、それほど良いものではなかった。
複数の暗号資産の残高にアクセスし管理するためには、それぞれの暗号通貨を管理する複数のChromeアプリをインストールしなければならなかったのだ。しかし、同社がLedger LiveアプリをmacOS、Windows、Linux向けにリリースしたことで、状況はずっと良くなった。
この新しいアプリを使うことで、同じデスクトップアプリから、自分のポートフォリオの残高を確認し複数の暗号化資産を管理することが、ようやくできるようになったのだ。そうなると、論理的な次のステップはモバイル対応である。そのためには、新しいハードウェアウォレットを入手する必要がある。
Ledger Nano Xは以前の製品であるLedger Nano Sとほぼ同じように見えるものの、やや大きめのサイズだ。USBキーのような形をしていて、デバイス上で取引を確認するための小さなディスプレイがある。その中に小さな100 mAhのバッテリー収められている。ウォレットのバッテリは、使用しなければ数ヶ月もつが、アクティブに使用した場合には8時間程度である。microUSBポートはUSB-Cポートに置き換えられた。今回はボタンは、デバイスの側面ではなく、ディスプレイの両側に配置されている。
デバイスを携帯電話とペアリングすれば、iOSまたはAndroid携帯電話からすべてを制御できる。Ledger Nano Xにアプリをインストールして、ウォレットにアクセスし、暗号通貨を送ることができる。iOS上では、パスワードと、オプションでFace IDまたはTouch IDを使用して、アプリをロックすることができる。
Ledger Nano Xの取引を承認する必要があるときには、携帯電話がLedgerデバイスとBluetoothを介してペアリングする。そうすることで、Ledgerデバイス上で取引情報を確認し、デバイス自身の上で取引を承認することができる。
Ledgerが非常に安全である理由は、あなたの秘密鍵がLedgerデバイスから決して離れることがないからだ。取引はデバイス上で直接署名されている。秘密鍵はBluetoothを介して送信されることは決してなく、あなたのスマートフォンがハッキングされても暗号通貨は安全なままだ。
Ledgerデバイスは、ST33セキュアエレメントを使用するようになった。これは、以前のバージョンであるST31よりも少しセキュアである。現在、ディスプレイとボタンに直接接続されているチップは1つだけなので、誰かがディスプレイ上の情報を危険にさらす危険性は少なくなる。
以前のものに比べて画面の高さは2倍になったので。スクロールしなくてもパブリックアドレス全体を表示することができる。最大100種類の暗号通貨アプリをインストールすることが可能だ。デバイスをコンピュータに接続して、デスクトップアプリを使用することも引き続き可能である。デバイスの価格は120ユーロ(138ドル)だ。
情報開示:私は少量の様々な暗号通貨を所有している。
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(翻訳:sako)
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