電気自動車、スマートフォン、スマートTVなどを開発する、中国の野心的なテック系企業のLeEcoに関する良いニュースと悪いニュースが両方報じられた。
同社のCEOでビリオネアのYuenting Jiaが、同社の早すぎる国際展開を戒めるために企業内部に送った手紙がリークしたことで、LeEcoが新たに6億ドルを調達したことが明らかとなった。しかし同時に、同社がアメリカで展開する電気自動車事業にはブレーキがかかっているようだ。
Reutersが報じたところによれば、LeEcoの中国親会社であるLeShiは、10社以上の中国企業から追加で資金を調達している。同社のスポークスパーソンは出資に参加した企業を明かさなかったが、TechCrunchが取材をしたところ、今回の出資者はすべてJiaが通っていたCheung Kong Graduate School of Businessのクラスメートだと教えてくれた。
今月初め、Jiaは同社が抱える1万人以上のスタッフに手紙を送り、複数の新事業を次々に立ち上げることで成り立っているLeEcoの成長は不安定なものであるという旨の警告をしている。LeEcoはスマートTV事業とNetflixに似たサービスを開始したところだが、この他にもスマートフォン事業や、米Faraday Futureと共同の電気自動車事業にも手を広げている。
この手紙のリークによって、LeEcoの米国向けビジネスと、Faraday Futureと共同で展開する電気自動車ビジネスが危機に陥っていると考える者も多い。しかし、LeEcoの北米事業を率いるBrian Huiは先週開催したTechCrunch Beijingに登壇し、この手紙は北米事業に悪影響を与えるものではないと主張している。さらに彼は、電気自動車ビジネスは同社にとって「最重要事項」であり、このビジネスから撤退することはないと強調した。その一方でHuiは、LeEcoが新しいフェーズに突入したことは認めている。つまり、より少ない事業により大きな投資をするというフェーズだ。同社が20億で買収したVizioなどがその例である。
今回の報道によって、打倒Teslaを掲げるLeEcoの電気自動車ビジネスに切実な資金需要があることが分かった以上、6億ドルの資金調達は成すべき時に成されたものだと言えるだろう。
Jalopnikは、LeEcoとFaradayの2社が18億ドルを投じたネバダ州の製造工場の建設工事が中断していると報じた。さらに、その建設業者への支払いも滞っているようだ。
私たちはこの工事の状況について尋ねたが、同社はコメントを控えている。Reutersによれば、今回LeEcoが調達した6億ドルのうち、その半分の3億ドルは今月末までに支払いが完了する予定だという。その資金は、Faraday Futureとのパートナーシップ、米国で始まったばかりのLeMall事業、LeEcoのハードウェアを販売するEコマース・プラットフォームに供給される見通しだ。
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