Liliumは世界で初めて完全電動の垂直離着陸(VTOL)ジェット機のテスト飛行に成功した。上のビデオで初飛行の様子が見られる。VTOLの基本コンセプトは、離陸に長大な滑走路を必要としないヘリコプターの利点を持ちながら、空中ではジェット機のような固定翼機の高速性能を実現できることにある。
Lilium Jetはこの2人乗りのプロトタイプを使って、将来の大型機を目指して一連のテストを完了した(上のビデオはそのごく一部)。Liliumはこの機会に5人乗りバージョンのデザインも発表した。将来の空中タクシーや相乗りサービスでの利用を見据えている。事実上の空飛ぶ車を約束したと言える。
Liliumは、その100%再生可能電力が最大の特長だ。VTOLテクノロジーにはDARPA(国防総省国防高等研究事業局)をはじめ数多くの組織が取り組んでいるが、ほとんどが内燃機関とのハイブリッド方式を採用して、電気のみに依存することによるデザインや性能の問題を回避している。
Lilium Jetは垂直離陸と水平飛行時の両方に電力を使用しているのが特徴だ。環境への影響を最小限に抑え市街地で使える維持可能な乗り物を作るために、完全電動化は最大の要素だとLiliumは信じている。
飛行時にジェット推進を利用することは、エネルギー経済的に大きな利点となる。Liliumによると、バッテリーによる連続186マイル(300 km)の飛行と最大速度約186マイル(300 km/h)は、いずれも同程度のバッテリー容量のローター方式を大きく上回っている。
Lilium Jetが市街地の現実的な移動時間にどんな利点をもたらすかについて同社は、マンハッタンからJFK空港へ行く場面を例に挙げた。車でほぼ一時間の移動がLilium Jetなら5分になる。すごい!
空中通勤の約束にはめったなことでは乗らないのだが、Liliumがテスト飛行に成功したビデオを見て私の希望も羽ばたき始めている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)