モバイルでWebを検索しようとすると、一つのウィンドウで複数のアプリやタブを操作するから、相当めんどっちくなる(私はスマートフォンとタブレットをお手玉しながらアプリの使用とWeb閲覧を同時にやることが多い)。そこで、日本のスタートアップStudio Ousiaは、LinkifyというSDKでモバイル上の検索のかったるさを減らそうとする。
Linkifyは、今ユーザ登録するとiOSバージョンの非公開ベータを使える(Android用のSDKはもうすぐ出るし、ほかのモバイルプラットホーム用も今開発中)。テキストの多いアプリで使うよう設計されているので、ニュースリーダーFlipboardのようなものに適している。機械学習のアルゴリズムを使ってキーワードを見つけ、それらをリンクに変える。そしてそのリンクをクリックすると、検索エンジンの検索結果やWikipediaなどの当該ページのウィンドウがポップアップする。だから、新しいタブを開いたり、ブラウザにリダイレクトされたり、ほかのアプリへ行ったり、などなどがまったくない。
このようにユーザ体験が良くなるだけでなく、Linkifyはデベロッパを二つの点で助ける。まず、自分が作ったアプリのユーザ滞留時間が長くなる(検索でほかのところへ行かされないから)。第二に、検索結果に文脈広告を入れられるので、Google Ad Senseによるマネタイジングが可能だ。このSDKの重要機能の一つが、Studio Ousiaが開発した機械学習アルゴリズムで、それがキーワードを見つけて妥当なリンクを生成する。つまりデベロッパのコーディングにおいて言葉を一つ一つ見つける必要がなく、Linkifyが適切な用語にリンクを張ってユーザのクリックを誘う。そしてユーザが検索結果の中に文脈広告を見つければ、さらにめでたしだ。
協同ファウンダのIkuya Yamadaは次のように言う: “まずキーワードを見つけるのが今でも難しい。Japan(日本)のようなあまり役に立たないキーワードも見つけてしまうが、でもユーザの役に立つのはKyoto(京都)のような特定性のあるキーワードなのだ。それを避けるために、似たような語句でも両者を区別できる方法を工夫した”。
東京のStudio OusiaがLinkifyを開発したのは、モバイルの検索が今後儲かる市場だからだ。調査会社Bia/Kelseyの推計では、2015年にモバイルの検索件数がデスクトップのそれを抜く。Yamadaは曰く、同社の目標は“モバイルでWebを閲覧する体験を向上させること”だ。それには、タッチ画面のデバイスも含まれるし、Semantic Webがサポートする拡張現実(AR)も同社の視野にある。
Studio Ousiaはまだ、Linkifyのマネタイズの方法を模索中だ。たとえばそれは、同社のSDKを使うアプリが得る広告収入の分有になるかもしれない。同社はこれまで、約1億円の資金を、Nissay CapitalとSeed Technology Capital Partnersから調達している。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))