これまでにもちょっと奇妙なデザインのオールインワンPCはあったが、こんなものは見たことがない。
Looking Glass ProはオールインワンのゲーミングPCで、あるひとつのことに特化している。それは、めずらしい外観のレンチキュラーディスプレイに3Dのコンテンツを表示し、ピクセルで埋め尽くされたガラス箱の中を見ているような感覚を与えることだ。内蔵の4Kディスプレイに多数の画像をレンダリングし、それをちょっと不思議なレンズの魔法を通して低解像度の複数のスライスとして出力するので、ユーザーはメガネをかけなくても60fpsの3Dで立体的に画面上のコンテンツを見ることができる。
実際にどんなものなのか、開発元であるLooking Glass FactoryがTwitterに投稿した動画を見るとわかりやすい。
With #AWE2019 fast approaching, a couple of exciting announcements coming your way! Numero 1⃣: Today, we launched the Looking Glass Pro, an all-in-one solution designed specifically for businesses seeking a turnkey holographic display solution https://t.co/IkKe6cFicf pic.twitter.com/0kGGoVxHzp
— Looking Glass Factory #AWE2019 Booth 705 (@LKGGlass) 2019年5月28日
ブルックリンを本拠地とする同社にとって、これが初めての製品ではない。しかしこの製品は、これまでの開発の集大成といえる。
昨年、同社はLooking Glassディスプレイのクラウドファンディングで85万ドル(約9300万円)近くを集めた。これはVRヘッドセットを使わずに3Dのグラフィックスやオブジェクトを表示したいと考えるクリエイターを対象としたディスプレイテクノロジーの市場に向けたものだった。同社は1400万ドル(約15億円)近くの資金を調達したことを発表している。
今回の新しい製品で同社は、会議室のテーブルにこれを置けば3Dコンテンツをすぐに表示できるようになるとして、エンタープライズの顧客にアピールすることを目指している。Looking Glass Factoryは、VRヘッドセットを使って3Dコンテンツを見せたことがあるすべての人にアプローチしている。同社のソリューションを使えば、ヘッドセットを使わなくても美しい3Dを表示することができ、しかも複数のビューを複数の人に同時に見せられると同社は述べている。
このハードウェアは、ユーザーがタッチコントロールを使ってコンテンツを操作したりビューを変更したりすると、その場でレンダリングしてコンテンツを表示できるようになっている。Looking Glass ProにはWindowsが動作しているIntel NUC 8 VR NUC8i7HVKが搭載されている。ディスプレイの横には7インチのタッチパネル式サブディスプレイが付属していて、操作しやすくなってはいるが、現時点ではこの方法はちょっと妙な感じに思える。
奇妙でクールなこの製品は、かなり高価だ。すでに販売されている15.6インチのLooking Glassディスプレイは3000ドル(約33万円)だが、Looking Glass Proは6000ドル(約66万円)だ。Looking Glass Proは予約受付中で、7月に出荷開始となる。
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(翻訳:Kaori Koyama)