Lucid Motors(ルシード・モータース)は、新設するアリゾナ工場での高級電気自動車の生産を2021年早々に開始する。新型コロナウイルス(COVID-19)による影響で、当初予定から3カ月オーバーとなる。
同社は9月9日に開催されるオンラインイベントでLucid Airの生産バージョンを公開する予定だ。アリゾナ州カサグランデでの工場建設が数週間前に再開したことも明らかにした。今年中の第1段階完成を目標としている。同社はまた、カリフォルニア州にある施設での車両開発作業も再開した。こちらは外出禁止令の影響で一時中断されていた。
同社は米国6月17日、車両のインテリアやエクステリアの最終デザイン以上のものを9月9日のイベントで披露すると述べた。製造規格やコンフィギュレーション、価格なども発表する見込みだ。
「前例のない時代を経験しているが、ゲームチェンジャーとなる電気自動車を開発するという社の決心はこれまで以上に揺るぎないものとなっている」とLucid MotorsのCEO兼CTOのPeter Rawlinson(ピーター・ローリンソン)氏は声明で述べた。
新型コロナウイルスによる閉鎖は少なくとも今は過去のものとなり、Lucid Motorsは従業員の増強と工場建設の完了に注力しつつ、引越しと生産設備の準備に着手した。車両組立のための主な部品や施設は、工場完成を待たずしてインストールされる。そして工場が完成したら、同社はプロトタイプの製造を開始する。組み立てラインを2020年中に稼働させてプロトタイプを製造するが、プロトタイプは販売されない。同社によると、顧客向けの車両の生産は2021年初めに始まる見込みだ。
同社は現在1000人超を雇用しているが、Air生産開始に向け採用を強化している。過去3カ月で新たに160人超を採用した。そして今年末までに700人超を追加する計画だと述べた。
グローバルでの車両披露とアリゾナ工場第1段階完成はLucid Motorsにとって重要なマイルストーンとなる。同社は11年前に異なる社名とミッションのもとに設立された。当時はAtievaという社名で、電気自動車のバッテリー技術の開発にフォーカスしていた。その後電気自動車の開発にシフトし、2016年に現在の社名に変えた。
Lucid Motorsは当時好調だった。資金調達がうまくいき、Airを発表し、アリゾナに7億ドル(約748億円)の工場を建設する計画を明らかにした。そしてSamsung(サムスン) SDIとリチウムイオンバッテリー供給の契約を結び、広いオフィスに移った。その後、突然同社は1年ほど沈黙し、金のかかる工場建設とAir生産を実行するために必要な残りの資金の調達に取り組んだ。
2018年に同社はサウジアラビアの政府系ファンドから10億ドル(約1069億円)の資金を確保した。その際同社は、調達した資金はエンジニアリング開発、Lucid Airのテスト、アリゾナでの工場建設、北米を皮切りとする小売戦略のグローバル展開、生産開始にあてると述べていた。
画像クレジット:Lucid Motors
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(翻訳:Mizoguchi)