Microsoftは静かに新たなプロダクティビティアプリ「Project Sonoma」を Google PlayとiTunes App Storeの両方にリリースした。一般的なオフィス勤務以外で働く人たち向けのアプリだ。つまりシフトワーカーやウェイターを始めとする常に勤務スケージュールが変動する働く人たちに向けたアプリで、同僚とのチャット機能も備えている。
MicrosoftはまだProject Sonomaに関する公式発表を行っていないし、アプリも一般には公開されていない。Microsoftはこのアプリはプライベート・プレビュー版であると伝え、テスト検証に参加したい企業に向けたウェイトリストを用意している。
コードネームのように聞こえる「Project Sonoma」という名称が、最終的にこのアプリの名前に落ち着くかどうかは分からない。チームでのチャット機能を強調していて、Slackの簡易版のような印象も受ける。しかし、このアプリの最大の目的は、従業員のコラボレーションではなく勤務スケジュールの管理だ。
アプリのメイン画面には、3つのセクションがある。My Shifts(私のシフト)、Requests(リクエスト)とMessages(メッセージ)だ。最初のセクションから従業員は勤務スケジュールを記録したり、次の勤務予定を確認したりすることができる。リクエストからは、勤務スケジュールの変更を依頼したり、他の従業員と勤務時間を交換することができる。メッセージはチームで使えるシンプルなチャット機能で、マネジメント担当者から重要な連絡を更新したり、同僚に質問をしたり、仕事仲間とチャットしたりすることができる。
Project SonomaはMicrosoftが行った小規模な買収、あるいはアクハイアの成果なのではないかという憶測も聞かれる。Google Playを見ると、アプリのURLにおけるパッケージ名には「shiftr」の文字がある。これは、Ludek DolejskyとAdrian Deanが立ち上げたシドニーに拠点を置くアプリ「Shiftr」と同じ名前で、これも従業員のスケジュール管理を行うためのアプリだった。
彼らのウェブサイトは閉鎖され、今は空白のページに飛ぶだけだ。Shirfrはいくらかシード資金を調達し、その出資元にはSenseDocのファウンダーであるSteen Anderssonも含まれていた。彼はMicrosoftに自ら立ち上げたモバイルマーケティング会社「5th Finger AU」を売却している。それを考えると、MicrosoftがShiftrも買収していたという可能性もなくはないだろう。だが、Microsoftはそれを否定している。
スポークスパーソンには下記のように伝える。
Project Sonomaは、従業員とマネージャーがスマホから勤務シフトを確認したり、管理したりするためのアプリで、限られたグループのカスタマーと検証している段階です。テストフェーズの参加にサインアップした企業の社員はアプリをインストールして使用することができます。現在テストに参加している会社名や社数を公表する予定はありません。
私たちは常に人々の仕事を促進するソリューションの創造と構築に努めています。現段階で公表できるアプリの利用開始時期や詳細はありません。ただ、Project SonomaはMicrosoft内でゼロから開発したものであり、買収を元にしているものでないことはお伝えできます。
ブログメディアMspoweruser.comが最初にプレビュー版アプリをGoogle Playで見つけた。アプリは数日前にGoogle Playにアップデートされたが、iOS版は6月10日から公開している。
また、とても簡素なProject Sonomaのウェブサイトもあるが、アプリのテスターに応募するためのサインアップ方法とウェイトリスト参加方法以外の情報はあまり掲載していない。
本日、Microsoftは他にもソフトウェアのスケジュール管理を改良するという、このアプリと関連した動きを発表した。チャットボットGeneeの買収を経て、Officeのスケジュール機能を改良している。スケジュール管理はプロダクティビティにおいて重要なもので、それはカレンダーのインターフェイス以外で行う方法も複数あることだろう。
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(翻訳:Nozomi Okuma /Website)