Microsoft、AIでボットとの会話をさらに自然に――Semantic Machinesを買収

今日(米国時間5/21)、Microsoftはバークレーを本拠とするスタートアップ、Semantic Machinesを買収したと発表した。現在のチャットボットはいかにもボットと分かる話し方をするが、Semantic Machinesは会話合成で最大の難題である「自然な話し方」をAIテクノロジーを利用して実現しようとしている。

Microsoftのブログで、AIと研究部門の最高テクノロジー責任者、David Kuは「MicrosoftはSemantic Machinesの買収でバークレーに優秀なAI会話のセンターを確保した。これにより各種のプロダクトの言語インターフェイスが大きく進歩することになる」と書いている。

われわれのCrunchbaseのエントリーによれば、Semantic Machinesは2014年に創立され、これまでにGeneral Catalyst、Bain Capital Ventures他から2090万ドルのベンチャー資金を調達している。

2016年にTechCrunch記事で同社の共同ファウンダー、チーフ・サイエンティストのDan Kleinは「現在の会話テクノロジーは大部分が個別分析的だ。しかし会話システムはコンテキストの認識ができなければならない。つまり単独では意味をなさないセンテンスであっても前後の文脈から正しく解釈できる必要がある」」と語っている。Semantic Machinesは記憶に重点を置いており、AIテクノロジーにより質問を正しく解釈したり答えたりできるだけでなく、人間の会話にさらに近い自然さを得られるとしている。この自然さはSiri、Googleアシスタント、Alexa、それにMicrosoft自身のCortanaなどのスマートアシスタントが獲得のために苦闘している目標だ。

Semantic Machinesはプロダクトを一般向けに販売するのではなく、エンタープライズにライセンスする道を選んだ。このためSemantic Machinesのテクノロジーは、Microsoftの各種のAI会話プロダクトに適合する。これにはMicrosoft Cognitive Services(ユーザー100万)、Azure Bot Service(ユーザー30万)の他にCortanaや中国語ボットのXiaolceでも利用できる。

画像: Natali_Mis / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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