Microsoftが今日(米国時間1/25)、デベロッパが同社のComputational Network Toolkit(CNTK)を使って深層学習(ディープラーニング, deep learning)アプリケーションを作りやすいように、プロジェクトをGitHubに載せ、MITのオープンソースライセンスを適用することにした。Microsoftがこのツールキットをオープンソースにしたのは2015年の4月だが、コードはMicrosoft自身のCodePlexサイトでホストされ、これまでは大学向けの、制約のあるライセンしかなかった。
前のライセンスでも研究者たちはプロジェクトにアクセスできたが、プロダクション用途に使うとか、大学の外の環境でいじくることには向いていなかった。今度の新しいライセンスと、GitHubへの移行により、Microsoftはそのほかのユーザも惹きつけたいと願っている。
Microsoftのチーフスピーチサイエンティスト(chief speech scientist)Xuedong Huangは今日の発表声明の中で、CNTKはとくにスピードが高度に最適化されている、と述べている。“CNTKツールキットは、これまでわれわれが見たどれよりも、桁外れに効率的である”、とHuangは言っている。ここでHuangが比較対象にしているのは、Googleが最近オープンソースにしたTensorFlowや、Torch、Theano、Caffeなどのプロジェクトだ(上図)。
Microsoftの主張によると、CNTKのアドバンテージは、シングルコアの上でも使えるし、また、GPUベースのマシンの大規模なクラスタでも使えることだ。しかも、他社のプロジェクトに比べてスケーラビリティが良く、多くのマシンに対応できる(もちろん今その検証はできないけど)。
Microsoftは昨年、もうひとつの機械学習ツールキットDMTKを、ひそかにローンチしている。DMTKは”distributed machine learning toolkit”(分散機械学習ツールキット)の頭字語で、大量のデータを効果的に分析することに力点を置いている。