MicrosoftがFoursquareに救いの手を差し伸べる意味

Foursquareが大手テクノロジー企業から戦略的投資を受けるという噂は、複数の情報筋が候補はMicrosoftらしいと報じて以来大きくなり、BloombergのDina Bassによると、交渉は「進んでいる」。

何でまた、MicrosoftがFoursquareを欲しがるって? と思うかもしれない。これは、プラットフォームのためのアプリケーションサポートではない。その取引は既に完了している。

そうではなく、私が思うにこの投資の目的は、MicrosoftがFacebookに数億ドルを注ぎ込んだのと同じ理由、Bingだ。Facebookで唯一の企業出資者になることによって、Microsoftはソーシャル巨人にマップと検索の機能を提供する長期契約を確定させた。

Foursqureの大部分を所有することは、やり方は違うが、Bingを後押しする。Bingはローカル情報とマップデータの提供においてGoogle、Appleと競合している。モバイル地図が多面的になり、道案内よりもどう暮すかが重要になるにつれ、これら2つの領域は重なりつつある。もちろん、Windows PhoneのBingには、地理情報と地域商業情報を組み合わせるツールであるLocal Scoutがある。

Foursquareは、Microsoftが欲しいデータを持っているというだけで、ぴったりと収まる。このスタートアップは何年もかけて、レストランやホテル、家屋、その他あらゆる物に関する情報をユーザーから集めてきた。それをBingに渡せば、BingはおそらくGoogle以上のものをモバイルユーザーに提供できるだろう。

BingはすでにFoursquareのデータを使っている。Microsoftが関心を持っていると私が思う理由はそこにある。彼らはその価値を知っている。加えて、データの流入が止まったり、誰か(Yahoo、等々)が買収してアクセスを遮断するような事態は避けたい。これは、攻撃と守備を兼ねた行動だ。もちろんYahooは、現在検索技術でBingに頼っているが、1年後もそうとだは限らない。

Windows 8、8.1、Windows Phone 8のユーザー体験、およびデスクトップのBing体験を改善することにもなる。

ではなぜ、Foursquareを完全に買収しないのか? Microsoftはそうする必要がないと私は思う。Foursquareは最新の資金調達ラウンドで6億ドルと評価された。投資家は利益が欲しいだろうし、Microsoftに現金があることはわかっている。今のFoursquareの弱さを考えても、安い買物にはなりそうにない。

しかし、例えば5000万ドルで、MicrosoftはFoursquareの最近の借金を帳消しにした上で、同社収益ある未来を証明するための資金を注入できる。MicrosoftはFoursquareデータの利用が可能になり、そのために意味のある対価を払う必要がない。そして、もしFoursquareが本当に倒れた時、欲しい物を拾い集めるのは、株主であるMicrosoftだ。

本誌ではYahooにも可能性があるという情報も得ている。さあ、ゲームの始まりだ。

トップ画像提供:Robert Scoble

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(翻訳:Nob Takahashi)


投稿者:

TechCrunch Japan

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