昨日のSkypeプラットフォームにボットを取り入れるニュースに続き、Microsoftは本日、Skypeプラットフォーム用に2つのSDKを公開すると発表した。このSDKを使って企業やアプリ開発者は、Skypeの機能を自社アプリに実装することができる。年に1度のBuildカンファレンスで、Microsoftは開発者向けの新ツールキットを2つ発表した。Skype Web SDKとSkype for Business App SDKだ。どちらもSkypeをより広く利用できるようにするという共通の目標を目指している。サードパーティに提供することで、Skypeの広いネットワークと機能を活用したい考えだ。
Skype Web SDKでは、Microsoftは一連のJavaScript Web APIとHTMLを企業に提供し、開発者はリアルタイムでのコラボレーション機能を自分たちのアプリに加えることができるようになる。これにはユーザーの状態を知る機能、チャット、音声、動画通話といった機能が含まれている。
このSDKは、Internet Explorer、Chrome、Safari、Firefoxなど、ブラウザで利用可能なクライアントアプリ内で使用可能だ。
Skype for Business App SDKは、SkypeをiOSやAndroidの法人アプリに実装されることを想定している。 プレビュー版を近々リリースする予定だ。このSDKは、Microsoftが「リモートアドバイザー体験」と説明する状況に特に有効という。つまり、モバイル端末を使用するユーザーと別の離れた場所にいる人とのミーティングといった状況だ。例えば、医師やファイナンシャル・アドバイザーとの面会などだ。ユーザーは面会するのに、そのビジネスのアプリを立ち上げるが、その両者の通信部分を担うのはSkypeということだ。
Microsoftは、MDLIVEのアプリでデモンストレーションを行い、ビジネスがSkypeの使いやすくなったツールセットをいかに事業に役立てられるかを紹介した。MDLIVEのサービスは、ユーザーが医師、小児科医やセラピストとネット上で面会するためのものだ。デモでは、受診したい人が、予約やスケジュール調整を行い、医師とリアルタイムチャットを行うまで、同じアプリ内で全部できる様子を見せた。Skypeの見慣れた通話と通話終了ボタンだけがSkypeが動画チャット機能を提供していることを示す唯一の要素だった。
また、MicrosoftはこれらのSDKはHIPAAに則したものであり、医師と患者間でやりとりされる内容も安全に守られるとした。
デモは行われなかったが、もう1社この新SDKを活用している会社がある。それはSmartsheetで、彼らはクラウドベースの法人向け仕事管理とコラボレーションのためのソリューションを提供している。Smartsheetは、クラウドアプリ用のアドインを制作している。このアドインでチームが状況を確認したり、タスクや仕事に関連することを話すためにインスタントメッセージをやりとりできる。
これらのSDKのリリースで、Skypeのバックエンドの機能を特定の端末に制限されず、デスクトップやモバイルで使用できるウェブやネイティブアプリに広く組み込まれるようにしたい考えだ。
しかし、Microsoftは企業が実装するに辺り、気になることのいくつかに回答していない。例えば、ライセンス料やサーバーコストがかかるのかや、Skype SDKはWebRTCスタンダードに対応するかなどだ。
更新:MicrosoftはSkype for Business ServerかSkype for Business Onlineのライセンスを取得している企業は、これらのSDKを使用するのに追加料金はかからないとした。またSkype Web SDKは、WebRTC対応のブラウザでも機能するという。このリリースの一環として、Microsoft EdgeからのSkype for Businessの音声と動画通話の着信と発信が無料のプラグインをプレビュー版として提供する。
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