Internet Explorerは長年、自業自得の悪評に悩まされてきたが、Microsoft自身もそのことを十分自覚していた。しかしIE9以降は、かなり良いブラウザになり、最新バージョンはWebのオープンな規格に準拠し、きわめて高速なJavaScriptエンジンを実装、タッチのサポートなど新しい機能も加えた。しかしそれでもIEは、Microsoftにとってすら、いまだに”嫌うことが好まれる“ブラウザだ。
昨年あたり、とくにIE11のローンチ直後から、MicrosoftはRed BullやAtari、GlacierWorksなどいくつかの企業やデベロッパと提携して、IEが今や現代的なブラウザであることを見せつける、一連のデモを行ってきた。そして今日ローンチしたRethink IEは、それらのコンテンツを一堂に集めて、IEをめぐる話題がここから新たに盛り上がることを期待している。
MicrosoftでInternet Explorerのマーケティングを担当しているシニアディレクターRoger Capriottiによると、Rethink IEサイトの目的は、IEが今やWebの最前衛に位置していることを世の中に見ていただくために、IEがこれまでに作ってきたユーザ体験を強調的にデモすることだ。Rethink IEは、Microsoftがデベロッパと消費者両方のためにパートナーたちと一緒にやってきたことを一か所に集めている(Cut the Ropeだけはないが)。デベロッパはここを見て、作品制作の楽屋裏が分かるが、でも中心的なねらいは、Interenet Explorerの名誉回復というマーケティングの基調を、これからも継続していくことにある。
Capriottiによれば、昨年はIEにとってかなり良い年だった。11月には2012年以降最大のマーケットシェアを達成し、ChromeやFirefoxからIEに移行した、あるいは戻った、ユーザも少なくない。“今のIEの姿をぜひ見て、考えを変えてほしい”、とCapriottiは強調するが、Microsoftにとってそれはとくに、Surfaceなどタブレット上のIEのことを意味している。Capriottiから見ると、ChromeやSafariはデスクトップ向けに開発されてモバイルに移植されたから、モバイルというプラットホームのアドバンテージをフルに生かしていない。それとは対照的にMetroバージョンのIEはまったく新たに設計されたから、デスクトップの尻尾を引きずっていないぶん、競合製品よりも一歩進んでいる。“タブレットの上でChromeを見ると、デスクトップかと錯覚するからね”、と彼は言った。
彼によれば、今ではロード時間の短縮と高速レンダリングが標準だから、タッチなどの新しい技術を活用してブラウザ上の新しいユーザ体験を作り出す能力が、これからの勝敗の決め手になるだろう、という。もちろん、Webのオープンな規格に完全に準拠しつつ、だが。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))