MITの「RFocus」は壁一面をアンテナにするテクノロジー

RFocusは単純な問いに答えようとしている。「アクセスポイントやモバイル機器のアンテナや発振器の代わりに、どこにでもあるものを使えたらどうなるか?」。その「もの」で壁や塀を埋め尽くすのだ。MITのCSAIL(コンピュータ科学・人工知能研究所)が新たに開発した「Smart Surface」は、3000基以上のアンテナを使って信号強度を10倍近くに増幅する。

米国時間2月3日に同研究所は、このテクノロジーを紹介する論文を発行した。比較的安価で、それぞれのアンテナは数セントで作れる。さらにいいのが低消費電力であることで、ソフトウェア制御によって信号を反射することも通過させることもできる。RFocusが家庭や倉庫で、モノのインターネットやさまざまな「つながるデバイス」の信号を増幅するために使われる未来をCSAILは思い描いている。

「主たる目標は、環境にある要素を応用することで、信号を自在に制御する方法を探ることだ」とMITのHari Balakrishnan(ハリ・バラクリシュナン)教授は説明する。「もし、できるだけ低電力で、かつ良好な信号を遅れるワイヤレス機器をつくりたいなら、これは非常に期待の持てる技術のひとつだ」。

商品化の時期についての言及はなかった。これはCSAIL本来のやり方ではない。「似たような研究はプリンストンでも行われているが、MITの焦点は低コストと応用範囲の広さにある」とチームは語った。実際、壁をアンテナで埋め尽くすという概念は少々現実離れしているし、ほとんどの場合不必要だ。また、5Gへのアプローチに関わるさまざまな懸念を踏まえると、こうした方法が与える長期にわたる影響について、さらに研究を重ねる必要があるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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