MITの研究者たちが開発したチップは、ニューラルネットワークをスピードアップするとともに、その消費電力を最大で95%も引き下げる。その基本的なコンセプトはチップの設計を単純化して、チップ上の複数のコンピューター間のデータの行き来をなくすことだ。
MITの院生Avishek Biswasのチームが開発したこの新しい方法の利点は、ニューラルネットワークをスマートフォンや家電製品やそのほかの機会器具類の上で動かせるので、膨大な電力を消費するサーバーが要らないことだ。
それがなぜ重要なのか? つまりそうなると、このチップを使っている未来のスマートフォンは、高度な音声認識や顔認識などを、ニューラルネットワークやディープラーニングをローカルに動かして実行できる。原始的なルールベースのアルゴリズムを使わずにすむし、データをクラウドに送って処理の結果をもらうことも、する必要がない。
センサーがデータを集めている現場で、必要なデータ処理をすべて行うことを、‘エッジにおけるコンピューティング’、エッジコンピューティングと呼ぶが、それが一般企業のレベルで実用段階になりつつある。この新しいチップ設計の方法は、今成長中の機会がさらに商用化大衆化していくとき、業界に大きなインパクトを与えるだろう。