ML可観測性プラットフォームのAporiaが約28.8億円のシリーズA資金を調達

テルアビブに拠点を置くAporia(アポリア)は、企業がAIベースのサービスを監視・説明できるように支援するスタートアップ企業だ。同社は米国時間2月23日、Tiger Global(タイガー・グローバル)が主導する2500万ドル(約28億8000万円)のシリーズA資金調達ラウンドを実施したことを発表した。このラウンドには、新たに投資に加わったSamsung Next(サムスン・ネクスト)の他、以前の投資家であるTLV Partners(TLVパートナーズ)とVertex Ventures(ヴァーテックス・ベンチャーズ)も参加、同社の調達資金総額は3000万ドル(約34億6000万円)に達した。

2021年サービスを開始した当初は、オブザーバビリティ(可観測性)プラットフォームであることに正面から取り組んでいた同社だが、それからチームはその網を少し広げ、フルスタックのML(機械学習)モニタリング・プラットフォームとなっていった。

「今のところ、私たちのソリューションには4つの柱があります」と、Aporiaの共同創業者兼CEOであるLiran Hason(リラン・ハソン)氏は説明する。「1つ目の柱は可視性、つまりダッシュボード機能のようなもので、予測値などを見ることができます。2つ目は、かなり新しいものですが、説明可能性です。すでに何人かのユーザーには使っていただいています。3つ目がモニタリング、そして4つ目が自動化ですが、これも新しいものです」。

自動化は、もちろん、どのような監視サービスにとっても、明白な次のステップである。ユーザーは普通、受け取ったアラートに対して、何らかのアクションを起こしたいと思うからだ。Aporiaは、すでにその監視サービスにドラッグアンドドロップツールを取り入れていたので、この機能もすぐに追加できた。この自動化機能を拡張して、より複雑なユーザーケースに対応できるようにしたいと、ハソン氏は言及している。

また、説明可能性も、顧客からのフィードバックを基に追加した機能だ。企業には規制当局から、自社のAIモデルが何を行っているかを説明できるように求める圧力が増している。Aporiaは、モデルがなぜそのような予測をするのか、また、さまざまな入力パラメータがどのように予測に寄与しているのかを、ユーザーが理解できるように支援する。

フルスタックなML可観測性プラットフォームになるというミッションは、顧客の心に響いているようだ。Aporiaによると、同社のサービスを利用する顧客の数は、直近の半年間だけで600%増加したという。現在はその顧客に、Lemonade(レモネード)やArmis(アーミス)などの企業が含まれている。

「Aporiaは起ち上げ以来、信じられないような成長を見せ、驚くべき勢いで、急速にMLの可観測性の分野におけるリーダーとなっています」と、Tiger GlobalのパートナーであるJohn Curtius(ジョン・クルティウス)氏は述べている。「グローバル企業の経営幹部は、人工知能のメリットと、それが事実上すべての産業にどれほど影響を与えているかを理解していますが、リスクによって夜も眠れない状態になっています。Aporiaは、すべての組織が、AIの責任ある利用を保証するために求めるソリューションになると位置付けられます」。

画像クレジット:Aporia

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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