歩みは遅いけどしかし確実に、Moto Zはエコシステムができつつある。その将来性のありそうなハンドセットはしっかりとしたスペックを持ち、アドオンも多く、これまでのモジュール化ハンドセットとしてはいちばん完成度が高かった。でも、もちろん、それだけでは足りない。
Motorolaは足りないものを補うべく、デベロッパーに開放して改造を自由にし、このハンドセットの機能を充実多様化するために、ハッカソンまで開催した。
今週シカゴで行われたイベントで同社の社長Aymar de Lencquesaingは、報道陣を前に、同社のZハンドセットに近くTangoモジュールが提供されるかもしれない、と述べた。はっきりしない言葉だし、完全な発表ではないが、パートナーシップとしてはありえる話だ。
そもそも、Motorolaの親会社Lenovoは、このGoogleの拡張現実カメラ技術の、初めての実装製品を作って発売した企業だ(上図、Phab 2 Pro)。Tangoの現状は、一般消費者の購入動機になりうるほど完成度の高いものではないが、しかしそれでも、Moto Zのような多機能型スマートフォンのアドオンとしては十分だろう。
特別なハードウェア、それに新たにカメラや電池も必要とする技術だから、モジュールにするのがむしろふさわしいし、その方がインドアの3Dマッピングソフトウェアも本領を発揮しやすい。またそれによってMoto Zの、ハードウェア実験のためのプラットホームという位置づけもより確定し、今一般的な2年というスマートフォンのアップグレードサイクルとは無縁な位置を維持し続けられる。