今日(米国時間2/24)、スペインのパルセロナで開幕したMWCでMicrosoftはHoloLens 2を発表した。 HoloLens 2はMicrosoftの最新版のMR(混合現実)ヘッドセットで、視野は2倍に拡大され、画面精細度、操作性ともにアップしているという。Microsoftによれば「快適性は3倍になった」ということだ(ただしMicrosoftの測定の基準ははっきりしない)。
今年後半、HoloLens 2はアメリカ、日本、中国、ドイツ、カナダ、イギリス、アイルランド、フランス、オーストラリア、ニュージーランドの各国で販売される。予定価格は3500ドル。
現行HoloLensの問題の1つは、視野が狭いことだった。見たいものが正面にあってあまり大きくない場合はHoloLensが生む効果は素晴らしい。しかし顔を少し動かしたり、大きな対象を見ようとすると、ディスプレイが切手くらいのサイズしかないことに気付く。今回発表されたHoloLens 2は、オリジナルの2倍の視野があるという。今日のキーノートでHoloLensの開発責任者、Alex Kipmanはデバイスの発達の歴史を振り返ってこう述べている。
Kinectは家庭に入ることができkた最初のスマート装置でした。これがMicrosoftにHoloLensを作成させたのです。 […]ここ数年、デベロッパー、企業、スタートアップはすべて何かはビューティフルであると同時に役立つプロダクトを作ろうと努力してきました。
その結果の一つがHoloLensだったわけだ。これはソフトウェアとハードウェアが一体となって機能するプロダクトだ。 HoloLensのために、MicrosoftはWindowsのカスマイズ版を開発すると同時に、オブジェクトを見つめて人差し指でタップするエアータップや手をつぼみ型にして開くブルームのようなHoloLens特有のジェスチャーを利用してARオブジェクトと対話する新しい仕組みを開発した。HoloLens 2ではインタラクションがさらに自然になり、オブジェクトを簡単にタップできる。ヘッドセットの視線トラッキング機能も改良され、システムはユーザーが見つめている場所を正確に知ることができるようになった
Kipmanは「HoloLens 2はユーザーに適応します。 われわれは進化したインタラクションのモデルを構築することとによりユーザーがホログラムと対話する能力を大幅に向上させました」と強調する。
デモではスライダー操作などによりHoloLensアプリケーションの操作がいかに自然かつ高速になったかの説明に力を入れていた。たとえばスライダーは指のタップで呼び出し、レバーをつかんで動かすことができる。Microsoftトでは、HoloLensがきわめて高精度で指の動きをトラッキングできることを示すために10本の指で演奏できるバーチャル・ピアノを作成した。同社はこれを「もっとも直感的対話性」と呼んでいいる。’
HoloLensのプロトタイプが最初の発表は2015年レッドモンドの本社キャンパスで開催されたMicrosoftのサプライズイベントだった。MWC 2016が終了して数日後に招待のみで開催されたイベンドで実機が紹介され、8月に発売された。 つまり新しいハードウェアのリリースまでに4年かかったことになる。これは長い時間だが、MicrosoftとしてはHololensの開発にデベロッパーを呼び込むためにプラットフォームの安定を優先したのだろう。
またMicrosoftは今日、デベロッパーをサポートするために、MicrosoftはAzureのHoloLens向けサービスを多数発表した。 これには、空間アンカーやハイポリゴンのコンテンツをHoloLensにストリーミング配信するのに役立つリモート・レンダリングなどが含まれる。
重要なのはMicrosoftがHoloLensをコンシューマー向け製品として位置づけたことはない点だ。なるほどTechCrunchはHoloLens上のゲームを紹介したこともあるが、このプロダクトの焦点はあくまでビジネス、教育関連のアプリケーションにある。この傾向は新製品でも変わっていない。たえば医療アプリケーションのデモで複数のユーザーが1つのホログラムに対して共同作業を行うことができることを示した。この機能は新製品で実装されたわけではないが、MicrosoftがHoleLensテクノロジをどのように位置づけているかを示していると思う。
エンタープライズ向けアプリケーションではデバイスの機能をカスタマイズできるオプションも提供される。
MicrosoftのCEO、サティア・ナデラ「世界に対するわれわれの見方を変えることは実際に世界を変えることになる」と4年前のHoloLens発表の際のスピーチを引用した。ナデラは「現実世界と仮想世界を一体化することがわれわれの働き方を変えると信じている」と述べた。
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