コインチェックが顧客から預かっていた580億円相当の仮想通貨「NEM」が1月26日に不正流出した件を受け、金融庁は1月29日に仮想通貨交換業者の行政対応に関する記者説明を行った。
関東財務局が同日発表した資料によれば、事件発生当日の26日、当局が今回の流出事件についての報告をコインチェックに求めた結果、「発生原因の究明や顧客への対応、再発防止策等に関し、不十分なことが認められた」という理由により、以下の業務改善命令を発令した。
- 本事案の事実関係及び原因の究明
- 顧客への適切な対応
- システムリスク管理態勢にかかる経営管理態勢の強化及び責任の所在の明確化
- 実効性あるシステムリスク管理態勢の構築及び再発防止策の策定等
- 上記1〜4までについて、2月13日までに、書面で報告すること。
また、金融庁の会見内容を伝えた「bitpress」のツイッターアカウントによれば、以下のような質疑があったという、
・金融庁は今後、業務改善命令に基づき、精査とフォローアップを行う。場合によっては立入検査の実施も検討中である。
・利用者保護の観点など総合的に判断し、業務停止命令を出さなかった。
・今回の流出事件を受け、コインチェックはハッキング被害にあった26万人に対し日本円で補填をするという旨の方針を発表している。補填総額は460億円相当で、同社はこの支出を自己資金で賄うとしているが、「9月時点での貸借対照表は把握しているものの、直近のものは現在確認中」
ここ数年で大きな盛り上がりを見せた仮想通貨だが、今回の流出事件により規制強化の対象になるのかはまだ分からない。金融庁は仮想通貨に対する規制を強化するか否かは現在、関係省庁全体で協議のうえ検討中だとしている。