ソフトバンク子会社がAI特化のインキュベーション事業を開始、学生も対象で創業支援

ディープコアのメンバー。写真中央が代表取締役の仁木勝雅氏。

ソフトバンクグループの100%子会社であるディープコアは1月29日、学生や起業家が対象となるAI分野に特化したインキュベーション事業を開始すると発表した。

ディープコアはもともと、「汐留事業4号株式会社」という変わった法人名がつけられていた企業で、ソフトバンクがいつ新規事業を立ち上げてもいいように用意したペーパーカンパニーだった。同社は2017年9月に法人名を現在のディープコアに変更。今回発表したインキュベーション事業が現在の主要事業だ。

そんなディープコアのインキュベーション事業が特に注力する分野がディープラーニングだ。ディープラーニングといえば、Preferred Networksがトヨタ自動車から約105億円の資金調達を実施するなど、日本でも大企業とスタートアップとの協業が活発的に進みつつある分野である。ディープコアは東京大学松尾研究室と共同研究契約を締結し、企業との共同プロジェクトの実施や起業家育成を進めていく。

また、同社は東京大学に近い本郷にコワーキングスペースを開設し、NVIDIA(ソフトバンクが約1兆円を出資したとされる)の協力の下で用意したコンピューティング・リソースを提供する。起業意欲がある優れたメンバーについては創業支援も行うという。

ソフトバンクグループでは投資部門を担当してきたディープコア代表取締役の仁木勝雅氏は、“求める人材像”についてこう語る。

「一定のAIスキルを持っている理系学生、大学院生、エンジニアなどで、『現在は特にビジネスに係わっていないが、経験してみたい』だとか、『AIの技術を使って、面白いことをやってみたい』という人だ。既に起業意欲を持っている人は大歓迎だが、現時点で、必ずしも具体的なテーマやアイデア、起業意欲を持っている必要はない。企業との実証実験などへ参加してもらうことで、社会における実課題に取り組む機会を提供する」(仁木氏)

ディープコアは50人のプログラムメンバーを2018年2月1日より募集開始する。インキュベーション施設は2018年春に開設予定だ。その他の詳細は同社のWebページに随時アップデートされる。

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TechCrunch Japan

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