NetflixがiPhone、iPadユーザーにもモバイルゲーム提供開始

先週、Netflix(ネットフリックス)は初のモバイルゲームのラインナップを全世界のAndroid(アンドロイド)ユーザーに提供した。本日、そのゲームの提供がiOSユーザーにも拡大された。「ストレンジャー・シングス」のゲーム2本と、その他いくつかのカジュアルゲームが含まれているラインナップは、Androidと同じ方法でiOSユーザーに配信さる。つまり、クラウドからストリーミング配信されるのではなく、App Store(アップルストア)から直接ユーザーの携帯電話やタブレットにインストールされる。

Android版のリリースにともない、Netflixは、ユーザーがカタログを閲覧してプレイしたいゲームを見つけることができる「ゲーム」タブをアプリ内に導入した。しかし、実際にゲームをプレイするには、Google Playにアクセスして、ゲームを端末にインストールしなければならない。最初の起動時に、ユーザーは、Netflixの認証情報を使ってゲームにサインインすることになる。

Netflixによると、iPhoneおよびiPadでのNetflixゲームの提供でも、同様のシステムを採用しているとのことだ。ただし、今回ゲームのダウンロードは、Google Playではなく、Apple(アップル)のApp Storeからになる。また、ゲームを開始する際には、Netflixの会員情報を使った認証が必要となる。

このシステムは、ゲームアプリに対してより寛容な内容に、2020年変更されたAppleのApp Storeのルールに準拠していると同社は考えている。

クラウドゲームサービスの増加に対応するために更新されたものだが、Appleのポリシーによると、開発者は、カタログ内の各タイトルが専用のApp Storeリストに掲載されている場合に限り、ゲームカタログへのアクセスを加入者に提供する集中型のアプリを提供することが認められている。これにより、Appleは各ゲームタイトルを個別に審査することができるという。このシステムは、定額制のゲームサービスGameClub(ゲームクラブ)が、会員のみがプレイできるクラシックゲームのタイトルをより幅広く提供するために開発したものだ

しかし、iOSでのNetflixゲームの実装と、Androidでの仕組みには、1つの違いがある。

Android版のNetflixユーザーには、アプリに専用の「ゲーム」タブがあるが、iOSユーザーにはない。その代わり、iPhoneユーザーには、アプリ内にゲーム専用の列が表示され、そこで任意のゲームを選択してダウンロードすることができる。一方、iPadユーザーには、(6番目に固定された)「ゲーム」タブが表示され、カテゴリのドロップダウンメニューからゲームにアクセスすることができる。

画像クレジット:Netflix

NetflixはTechCrunchに対し、AppleはNetflixのゲームにおいてすばらしいパートナーである一方で、ゲームタブが、独自の「アプリストア」を提供するアプリを禁止するApp Storeのポリシーに抵触するかどうかは、Netflixにとって完全には明らかではなかったと述べている。Netflixは、iOSユーザーにゲーム体験を提供する上でゲームタブは重要ではないと考え、ゲームタブなしでサービスを開始することを決定した。ただし、将来的にこの規則がより明確になれば、現在Androidで提供されているタブのように、iOSアプリに「ゲーム」タブを追加できるようになるかもしれない。

発売にあたってのゲームのラインナップは、Android版と同じだ。これには、BonusXP(ボーナスXP)の2つのタイトル「ストレンジャー・シングス:1984」と「ストレンジャー・シングス 3:ザ・ゲーム」の2タイトル、Frosty Pop(フロスティ・ポップ)の「ティーター」と「シューティング・フープス」の2タイトル、Rogue Games(ローグ・ゲームズ)の「カードブラスト」の1タイトルが含まれる。前者2作品は、Netflixの人気番組「ストレンジャー・シングス」のスピンオフ作品で、後者3作品はカジュアル作品だ。

長期的には、Netflixはこのカタログに他の追加要素やジャンルを加えて拡大する計画を持っている。例えば、同社は9月に「Oxenfree(オクセンフリー)」などのストーリー性のあるタイトルで知られる独立系ゲーム開発会社のNight School Studio(ナイトスクールスタジオ)を買収し、Netflixゲームのライブラリーをさらに充実させている。

Netflixは、ゲームへの関心を、直接収益を得る方法ではなく、加入者を楽しませ、維持するためのもう1つの方法であると説明している。現在のところ、ゲームは無料でダウンロードでき、広告もなく、アプリ内課金もない。同社は、カタログが充実してくれば、テレビ番組や映画だけでなく、同じアルゴリズムを使ってモバイルユーザーに新しいゲームを提案することも可能だとしている。

Netflixは「私たちは、ゲームを、オリジナル映画やアニメーション、台本のないテレビへの進出と同様に、当社のもう1つのコンテンツカテゴリーであると考えています」と2021年第2四半期の株主向けのお知らせで述べ、まずはモバイル機器向けの無料ゲームに重点を置くとしている。そして「オリジナル番組への進出から約10年が経過した今、会員のみなさまがゲームにどのような価値を見出しているのか、より深く知るべき時期に来ていると考えています」と述べた。

編集部注:US記事では全世界での開始となっているが、本稿作成時点(2021年11月10日)、日本でのiOS端末ヘの同サービスノ提供は確認できていない。

画像クレジット:Netflix

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

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TechCrunch Japan

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