NetflixがTikTok風おもしろ動画「Fast Laughs」を公開

2020年11月、Netflix(ネットフリックス)は、「Fast Laughs(ファスト・ラフス)」と名づけたモバイルアプリでTikTok(ティクトック)風のおもしろ動画を流す実験を開始した。米国時間3月3日、同社はこの機能をiOSで提供開始したことを発表している。ユーザーはその短編動画クリップを見て、シェアなどができるようになるほか、番組や映画をNetflixのウォッチリストに追加することもできる。番組をすぐに見るための 「Play」ボタンも追加されている。

新機能は当初、Netflixのコメディ作品から作ったビデオクリップを流す。「Big Mouth(ビッグマウス)」などのマーダーミステリー、「The Crew」などのシチュエーションコメディ、Kevin Hart(ケヴィン・ハート)やAli Wong(アリ・ウォン)などのスタンドアップコメディアンの傑作場面などだ。

NetflixはTechCrunchに、新機能は同社のオリジナル作品だけでなく全作品カタログを利用することを正式に認めた。ただし、新たな体験の中に全部でいくつの番組や映画が登場するかは明らかにしていない。

画像クレジット:Netflix

新機能はNetflixアプリの中でも目立った位置に置かれ、「Coming Soon」の隣にできた専用タブのボタン・ナビゲーション・メニューから利用できることは注目に値する。これはもはや小さな実験ではない。むしろ、「Fast Laughs」機能の初期テストが、ユーザーを捕捉しNetflixコンテンツと結びつける上でどれほど成功したかを示す証拠だ。

「Fast Laughs」は、ユーザーがアプリで見る新しい番組や映画を発見するための方法のコンセプトを、Netflixがソーシャルメディアから借りてきた初めての事例ではない。たとえば数年前、Neftflixは独自のショートビデオ「ストーリー」機能をPreview(プレビュー)という名前で導入した。しかし時代は変わった。今やユーザーはTikTokが流行させた縦型ショートフォームビデオに魅了されている。

画像クレジット:Netflix

「Fast Laughs」は、縦にスワイプするフルスクリーンビデオや、反応ボタンを画面右側に配置するなどTikTokのフォーマットに大きく影響されている。ボタンは、動画に 「LOL(泣き / 笑い)」エモジで反応したり、iMessage(アイメッセージ)やWhatsApp(ワッツアップ)、Instagram(インスタグラム)、Snapchat(スナップチャット)、Twitter(ツイッター)などのSMSアプリでシェアするのに使える。動画はすぐに見ることも「My List(マイリスト)」に加えて後から見ることもできる。

テスト期間中「Fast Laughs」の動画の長さは15秒から45秒程度だったが、Netflixは、ビデオクリップの長さに厳密な決まりはないと述べている。

クリップのコンテンツは子供にふさわしくない場合があるため「Fast Laughs」タブはNetflixの子供用プロフィールには表示されない。また、ユーザーは年齢レーティングレベルの設定に応じてコンテンツをフィルターすることもできる。

画像クレジット:Netflix

会社はこの機能を発見ツールに位置づけている。

「メンバーに楽しくて速くて直感的なやり方で作品を見つけて欲しかったので、ジャンルを超えて見ただけでわかるコメディ的な瞬間を、モバイルネイティブなフルスクリーン体験として提供しています」とNetflixのプロダクトデザイナーであるKim Ho(キム・ホ)氏はいう。。ホ氏は以前、Facebook、Instacart(インスタカート)、およびCoinでプロダクトデザインの仕事していた。「意図をもったミニマリストなUIデザインの中で必要なものを絞ることに苦労しました。透明なタブバーから瞬間への反応(LOL)やリストに加えることで次の笑いを計画することまで」と彼女は付け加えた。

しかし、「Fast Laughs」は新しく見るものを見つけることに焦点を当てているが、この機能はNetflixがTikTokとモバイルデバイスで消費する時間を競う上でも実は役に立つ。短くてもっと「つまみ食い」できるビデオコンテンツへの高まる需要を満たしているからだ。

新機能は現在iOS向けに公開中で、Android(アンドロイド)でのテストは数カ月中に始める、とNetflixは言っている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Netflix

画像クレジット:Neftflix

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。