現在、JavaScriptの有力なオープンソース団体は2つある。2016年設立のJS Foundationと2015年設立のNode.js Foundationだ。JS Foundationの目的はJavaScriptを中心とするエコシステム全般の育成にあるのに対して、Node.jsは名称からも明らかなようにNode.jsテクノロジーを中心としてGoogleのV8エンジンなどの助けを借りながらサーバーサイドでJavaScript言語を活用していこうとするものだ。この2つの団体は合併を検討していることを明らかにした。
合併はまだ確定したわけではなく、両組織はそれぞれのコミュニティーからのフィードバックを得ようとしている。まずはNode+JS Interactiveカンファレンスで直接に、またオンラインでもQ&Aセッションを設けて、多くの質問に答えていく計画だという。今日(米国時間10/4)の共同声明には次のように述べられている。
合併は両組織の技術的独立性や自治に変更を与えるものではない。Node.jsやAppium、ESLint、jQueryを始めとするJS Foundationの28のプロジェクトはすべてこれまでどおり運営される。JavaScriptは柔軟なプログラミング言語であり、ウェブのバックボーンという当初の役割をはるかに超えて発展している。新しい分野にはIoT、各種ネイティブ・アプリ、DevOps、各種プロトコルなどがある。JavaScriptのエコシステムはブラウザからサーバーへ、デスクトップから組み込みデバイスへと現在も拡大中だ。こうした中でエコシステムの健全な発展を助けるためにメンバーが共同作業する重要性はさらに高まっている。
エコシステム全体を通じて共同作業の重要性が増していることがこの合併のそもそもの動機だろう。Linux Foundationの戦略的プログラム担当バイスプレジデント、Mike Dolanは声明で 「JavaScript 団体のリーダー、重要な知的財産を保有する企業など、コミュニティーがさらに緊密に活動していくくとが団体の活動分野を広げると同時にNode.jsと各種のJavaScriptプロジェクトを一層助けることになると革新している」と述べている。
合併の最終目標は「運営の優秀性をさら強化することによってJavaScriptエコシステム全体の協調性を増し、あらゆるJavaScriptプロジェクトの本拠となれるような単一組織を立ち上げる」ことだという。
コミュニティーの賛成が得られるのであれば、両組織がLinux Foundationの傘下にあることは合併を推進し組織の統合を図る上でなにかと有利だろう。両方の組織に加盟しているメンバーもいるが、その数は予想より少ない。たとえばIBMは両組織のプラチナ会員だが、,GoogleはNode.JSのプラチナ会員でJS Foundation.のスポンサーにはなっていない。逆にSamsungはJS Foundationのトップレベル・スポンサーだがNode.JS Foundationsのリストには載っていない。そういうわけで統合の目的のひとつが「メンバーのコミュニティーへの参加を合理化する」ことにあるのは驚くに当たらない。
画像:imArbaev / Getty Images
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