Nvidiaのビジネスは絶好調だ。GPU事業は急拡大を続けており、自動運転テクノロジーなどへの巨額の投資も成功しつつある。先ほど発表された四半期決算を受けて株価は時間外取引で10%以上アップした。
2017年第1四半期の決算でNvidiaは5億700万ドルの純利益を上げたと発表した。これは前年同期の2億800万ドルから2倍以上の大幅アップだ。これと同時に売上も前年同期比で48%増加した。Nvidiaの急速な成長の原因は、自動運転や自然言語理解のようなディープラーニングによるコンピューター処理を担うGPUの需要が急増した点にある。
これによってNvidiaの前には、まったく新しい成長市場が開かれた。ウォールストリートはこの展開に強い好感を抱いたようだ。Nvidiaは以前からグラフィックスとゲーム用ボードの代名詞だったが、今や多くの企業、ことに人工知能を利用しようと試みるスタートアップにとって必須のハードウェア供給元になっている。膨大なデータを利用し、その場で効率的に処理するモデルにはNvidiaのカードが欠かせない。
AI以外の分野でもNvidiaのビジネスは好調だ。特にTegraプロセッサの売上は3億3200万ドルと倍増した。これには任天堂Switchのリリースが大きく貢献しているはずだ。
当面Nvidiaは投資家にとって金の卵を生む存在だ。もちろん現在の経営が順調だということは将来に渡ってGPUビジネスでライバルに脅かされずに済むことを保障しない。たとえばGoogleは機械学習のアルゴリズムを直接実行できるTPUチップの内製に取り組んでいる。人工知能全般に対する需要は高まっているが、そのうちで自動運転のような特定の分野に特化していくのがNvidiaの方針だ。
ちなみにここ1年のNvidiaの株価の動きは下のグラフのようになっている。
Nvidiaの今期の決算はウォールストリートのアナリストの予想を上回った。売上19.4億ドルの売上に対して1株あたり利益0.79ドルをもたらした。アナリストは19.1億ドルに対して0.67ドルだった。Nvidiaによれば「データセンターにおけるGPUコンピューティングは対前年比でほぼ3倍になっている」という。これはNvidiaの将来について重要な指標だろう。同社はディープラーニングが必要とするハードウェアの供給で(すくなくとも現在のところ)トップに立っていることは間違いない。
画像: David Becker/Getty Images/Getty Images
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)