Open Network Labが第10期のデモデイを開催、最優秀賞はKUFUの「SmartHR」に

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Open Network Lab(Onlab)が手がけるインキュベーションプログラム「Seed Accelerator Program」。2010年4月から続くこのプログラムもすでに第10期。4月2日にはその成果を発表するデモデイが開催された。

第10期には80チームが応募。ステルス(非公開)1チームを含めて合計7チームが採択された。デモデイに臨んだ6チームの概要を紹介する。

MOOB「MAKEY

ユーザー同士でメイク方法を共有する、いわば「クックパッド」のメイク版。ユーザーはメイクのビフォーアフターを投稿、閲覧できる。新規投稿数は3カ月で3倍に増加。サービス運営に加えて、花王やコーセーとコラボしたメイクのリアルイベントなども開催しているという。4月中旬以降サービスを本格化する。

フラップ「FLAP

「美容室」ではなく「美容師個人」にフォーカスしたマッチングサービス。12月にブラウザ版をリリースしている。美容師が得意な技術などを投稿。それを見たユーザーは、自分の気に入った美容師に対して予約を取ることができる。現在は登録美容師の42%が情報を発信し、35%が継続利用している。また美容師の7.5%がこのサービスを通じて新規顧客を獲得した。

KUFU「SmartHR

労務手続きをクラウド上で解決するサービス。これまで手書きで書く必要のあった各種の書類をオンライン上に入力するだけで自動的に生成する。ランディングページ公開後、2週間で125社(社員数ベースで1449人)の利用申し込みがあり、テストした10社の全社が「お金を払っても利用したい」と回答したそうだ。将来的には政府の公開するAPIと連携。さらに財務など各種業務システムとのつなぎ込みを検討している。

TSUNAGU「tsunagu Japan

訪日旅行者向けの英語メディアを運営。「日本のライフスタイルを知るコンテンツ」「まとめ記事形式の観光記事」の2つに特化した独自記事を配信している。現在のユニークユーザーは43万人、Facebookページは100万人、アンバサダー(記事拡散支援のユーザー)は320人。diggTripZillaと連携。7月をめどにUU100万人を目指す。将来的にはホテルや飲食などジャンル特化型メディアを提供する。

iDEAKITT「LifeCLIPS

書き手満足度重視のテキストベースSNS。書き手にとって重要なのは投稿の手軽さと表現の自由さを重視している。現在高校生から60代までが文章を綴っている。現在2万以上のCLIP(投稿)がなされている。アクティブ率は50%。平均滞在時間は10分を超える。アクセスの7割はモバイルからだというが、投稿される文字数は平均で400文字以上と長文が多い。3月31日にはiPhoneアプリもリリースした。(以前の記事はこちら

マミーケア「HouseCare

1時間2500円のハウスクリーニングサービス。ここは最近スタートアップが続々参入している領域でもあるが、HouseCareの強みは「速さ」。申し込みしたユーザーの37%が当日〜2日以内のブッキングを実現している。スタッフは日本語と英語に対応。もちろんレビューなどの仕組みも整えている。

最優秀賞はKUFUの「SmartHR」に

デジタルガレージ代表取締役グループCEO林郁氏をはじめとする審査員がBest Team Award(最優秀賞)に選んだのはKUFUのSmartHRだった。

僕もプレゼンを聞いていて「今人事労務が抱えている課題を解決する」という点では6チームで一番明快だと思ったのだけれども、ちょっと気になったのはサービスの参入障壁の低さだ。ビズグラウンドの「Bizer」なんかも、実はこのあたりの領域を狙っているサービスだったりするし、大手企業だって参入の可能性がある領域だ。

実際審査員の間でもこの点で評価が分かれたそう。林氏は「まだ完成していないがマーケット広い。だが参入障壁は低い。ささっと(資金)調達して勝負して欲しい」と評していた。

なおOnlabでは第11期のプログラム参加者を募集中だ。支援内容についても第10期からアップデートしているので、詳細はこちらの記事を確認して欲しい。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。