授業をさぼる言い訳は通用しなくなる。フランスのスタートアップOpenClassroomsは、初めてフランスが国として認める学士号を取得できる、MOOC(大規模オープンオンライン講座)のコースだ。このスタートアップはIESA Multimédiaとパートナーシップを組んでプログラムを製作した。
エンジニアリング、デザインとデジタルマーケティングの3つの異なる専門分野の内容から選べる。学生は全ての授業を受講し、課題を修了することで学士号を得ることができる。IESAで得られる学士号と全く同じものだが、学生は直接教師に会うことはない。IESAはこのプログラム用に40の異なるMOOCの製作に取り組んでいる。
全ての授業を修了するのに平均で1年間を真面目に勉強に充てる必要がある。登録したMOOCを受講し続けるためのモチベーション維持の問題があるが、そのために毎週メンターとのビデオ通話が設定されている。
このような学位には重要な利点がいくつかある。IESAにとっては、より多くの学生の入学が期待できる。IESAは私立の教育機関であり、最終的な目標は利益を多く確保することだ。MOOCで学生が受講するほど、IESAの「教師毎の利益」は高くなる。
OpenClassroomsにとっては、テクノロジープロバイダーとして確実に収入の一部が得られる。このスタートアップは学生にプレミアム機能を月々20ユーロで提供しているが、国が認定しているプログラムを受講するには月々300ユーロのプレミアムプラスに加入する必要がある。OpenClassroomsにその内のいくらが入るかは定かではないが、月々20ユーロ以上であることは間違いないだろう。
学生にとっては、手の届く価格で学位が手に入る。IESAでの年間6950ユーロの学費を3年分払うことは難しいかもしれない。OpenClassroomsでは仕事をしながらでも学ぶことができ、支払う総額も少なくても済む。実際に学校に通い、他の学生や教師と一緒に学ぶのよりは楽しい経験ではないかもしれないが、多くの学生にとっては良い選択肢になるだろう。
OpenClassroomsの方向性は興味深く、他の教育機関もこのスタートアップと組んでオンライン講座を提供することが期待される。また、受講生が取得した学位に満足するかということも今後注目していきたい。
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