Oracleはクラウドへの参入が遅れ、ここ数年はそのキャッチアップに躍起になっていた。そのために、顧客たちがクラウドベンダーに要求する幅広いサービスに対応しようと努力を重ねてきたのだ。こうした流れの中で、同社は本日(米国時間10月2日)Oracle OpenWorldにて、サービスとしての人工知能を、その提供品目に追加した。
本日のOracleは、新しい自律型データベースやぴかぴかの新しいブロックチェーンサービスといった一連の大型発表で大忙しだった。この人工知能サービスは、これらの発表の延長線上に位置付けられる。
人工知能は開発者にとって大きな賭けとなっている。いま開発者たちは、人工知能の深い知識は必要とせずに、AI機能の活用を比較的容易にしてくれる一連のツールとテクノロジを必要としているのだ。
興味深いことに、本日発表されたAIサービスは、Oracle自身が顧客向けのAI活用アプリケーションを構築するために、社内で利用してきたツールの拡張なのだ。このサービスは、顧客が独自のAIアプリケーションを構築しようとする際に、同様のツールセットを提供できるようにデザインされている。
Oracle適応型インテリジェンス向けの製品およびデータサイエンス担当副社長であるJack Berkowitzは、社内のサービスチームは、社内の開発者たちと一種の共生関係で協力していると述べ、以下のようにTechCrunchに語った「可能な限りユースケースを押し広げようとしています。(社内開発チームが)私たちに技術を提供し、私たちはその技術を活用しています。私たちは社内最大の顧客なのです。そうした部分をまとめて、(インテリジェントな)アプリケーションを構築することができるようにしたのです」。
Oracle Cloudの上級副社長であるAmit Zaveryは、これはブロックチェーンのように、顧客に対して一連のサービスを提供し、それらのサービスの上にアプリケーションを構築するためのツールを提供するものだと述べている。このために、共通のフレームワーク、ライブラリ、開発ツールを提供し、プラットフォームサービスとして利用できるようにすると彼は語った。このサービスを使うことで、開発者たちは、Google Tensorflow、Caffe、あるいはNeo4jなどの一般的なツールを利用して、しばしば高負荷を要求する機械学習をNVidia GPUの上で実行することができる。
Zaveryによれば、Oracleは顧客がAIアプリケーションをより簡単に構築できるように、努力を重ねているという。「これらのフレームワークとツールに関して私たちがわかったことは、統合されたものとしてのセットアップは容易ではなく、進化の速度が速いため、APIという観点で何を利用すべきかに追従することは難しいということなのです」。今回のサービスは、開発者に対するそれらの問題を軽減するようにデザインされている。
一般的なAI開発プラットフォームに加えて、同社はチャットボット、IoT、そして適応型インテリジェンスアプリなどの特定のサービス提供を、今後数週間で利用可能とする予定だ。
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(翻訳:Sako)