Palo Alto Networksがデジタルフォレンジックのコンサルティング企業を280億円超で買収

テック業界では株式公開に向けて大量のS-1が提出され慌ただしい1日だった。それに負けじと、かねてより買収に熱心なPalo Alto Networksが、インシデント対応やリスクマネジメント、デジタルフォレンジックを扱うコンサルティング企業のThe Crypsis Groupを2億6500万ドル(約280億6400万円)で買収する意向であると発表した。

Palo Alto Networksの会長兼CEOであるNikesh Arora(ニケシュ・アローラ)氏はThe Crypsis Groupについて、サイバーセキュリティ大手がすでに提供しているサービスを基盤とし、侵害が発生したときに頼れるサービスをまとめて顧客に提供できる企業だとみている。

アローラ氏は「我々が力を合わせることで、顧客に対するサイバー攻撃を予測し防ぐだけでなく、侵害が発生した場合にその影響を軽減できるようになるだろう」と述べた。Palo Altoが提供しているツールは攻撃を防ぐためのものだが、実際には確実なツールはなく、Palo Altoのような企業とその守りを突破しようと試みる攻撃者は常にいたちごっこになっている。

Crypsisは侵害がどのようにして起きたのかを突き止め、今後は特定の弱点からアクセスされないように基盤の穴をふさぐ。The Crypsis GroupのCEOであるBret Padres(ブレット・パドレス)氏は発表の中で「我々はサイバー犯罪との戦いを通じて安全な世界を作ろうと努めてきた。Palo Alto Networksと組むことで我々は、世界規模で脅威を仕掛けてくる者たちに対して企業や行政がより適切に対応するための支援ができるようになる」と述べている。

買収が完了しThe Crypsis Groupを傘下に収めると、Palo Altoには年間およそ1300件のインシデントを扱ってきた優秀なコンサルタントが150人以上増えることになる。これによりPalo Altoは、攻撃者が防御をかいぐぐってきたときに対応できる重要なコンサルティングの戦力を手に入れる。

The Crypsis GroupはこれまでZP Groupというセキュリティコンサルタント企業グループの一員だった。2020年第4四半期が終了したばかりだが、これから買収が実行され、2021年第1四半期に完了する見込みだ。Palo Altoは株式が公開されているため、通常どおり、この買収は当局による監視の対象となる。

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カテゴリー:セキュリティ

タグ:Palo Alto Networks The Crypsis Group 買収 / 合併 / M&A

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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