PinterestがスタートアップのParadigmと協力し、職場のダイバーシティを促す

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ダイバーシティは注目されている問題だが、まだ多くのテック企業はこれを解決する糸口を見つけていない。

そこでParadigmが登場する。Paradigmは、SlackやPinterestといった急成長する企業と協力し、彼らが職場のダイバーシティに関して抱えている最大の障壁を特定する手助けをしているとParadigmのファウンダーでCEOのJoelle Emersonは私に説明した。彼らは、これを量的、質的な分析の双方から、偏見と不均衡の潜在パターンの特定を試みる。今日、PinterestはParadigmとパートナーシップを組み、新たな取り組みであるInclusion Labsを正式発表した。

「Pinterestは他のテクノロジー企業を先導するようなロードマップを策定しました」とBuildUpの共同ファウンダーであるWayne Suttonは話した。「彼らのダイバーシティを広める取り組みに組織全体に浸透する明確な目標とリーダーシップ層からの支持も加わりました。採用とメンターにおいて野心的な目標を設定し、多様性のある職場を実現することでPinterestは他の企業のリーダー的な立場となります」。

取り組みの一環として、Pinterestはフルタイムのエンジニア職の女性の割合を30%に増やし、全てのリーダーのポジションの採用の際には必ず、少数派のバックグランドを持つ人と女性を必ず一人は面接するといった目標を設定した。

Pinterestは、Paradigmの助けによりこの目標を達成を目指す。Paradigmは、どのように企業が潜在的な候補者を惹き付けるか、どのような人が面接で良い評価を受けるか、そして昇進や給与の決定のプロセスを分析している。次のステップは、社会科学に基づいた研究から障壁を特定し、適切な戦略を立てることだ。

Paradigmは、Pinterestで部署をまたいだ取り組みを行っているとEmersonは話した。人事部門、採用、そして上級リーダー職の人といった主要なステークホルダーと取り組んでいる。この7ヶ月で既にParadigmは、Pinterestのエンジニアの採用プロセスに影響を与えた。採用プロセスから「ホワイトボーディング」の技術面談を排除することを説得したのだ。

ホワイトボーディングとは、候補者が潜在的な雇用主の前に立ち、ホワイトボードに素早く、正確に、簡潔なコードを描く様式の採用プロセスの一つだ。これはエンジニアの採用面接に一般的に用いられるようになった。しかし、Paradigmが独自に行った調査と個人の意見を集めた結果から、ホワイトボーディングは十分な実力を持つ女性の採用には向いていないことが示された。Emersonは、コンピューターのコーディングで同程度のパフォーマンスを持つ女性でも、ホワイトボーディングの評価は男性より低くなると言う。

「コンピューターのコーディングで技術的なスキルがあると証明した女性でも、ホワイトボーディングでは実力を発揮できないのです」とEmersonは言う。

現在、Pinterestのエンジニアの採用では誰もがコンピューターを使用してコードを書く選択肢が与えられるようになった。次のステップは、その影響を計測し、良い結果が得られるかどうか検証することだとEmersonは話した。

またParadigmは、Pinterestの上級リーダー職を集めて無意識的な偏見に関するワークショップを行った。ワークショップでは、個人として、組織のリーダー職として、そして組織を発展させる構造やプロセスのなかで偏見をできるだけ低減する方法について考察した。

「Pinterestとの取り組みで最も素晴らしいことは、上級リーダー層の協力があることです」とEmersonは言う。「これはとても重要なことだと思います。ボトムアップからの働きかけだけでは、このような努力が良い結果に結びつくことは難しいと思います。草の根の活動も素晴らしく、とても重要なことですが、上級リーダー層を取り込まなくては影響を与えることはとても難しいのです」。

Pinterestがこのような取り組みを行っていることは驚きべきことではない。5月に開催された Re/codeのCodeカンファレンスで、 PinterestのCEOであるBen Silbermannは、自社が性別のダイバーシティを広めることに注力していると強調し、社員全体の40%、そして技術社員のおよそ20%を女性が占めると話した。また、PinterestのエンジニアであるTracy Chouがテクノロジー企業に対し従業員のデモグラフィックに関するデータを公開を促したことを評価した。

Silbermannは、それでもPinterestのリーダーの役割における女性の数は更に改善できるとも話した。そして、Pinterestでの性別のダイバーシティーは始まりに過ぎず、異なるバックグラウンドでも最良の人の採用に対して前向きであると伝えた。

Pinterestのブログで彼らの考えがもっと分かるだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

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TechCrunch Japan

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