新興マーケットユーザーの需要に合わせてモバイルアプリのライトバージョンを投入する動きが広がる中、Pinterestもその流れに乗る。米国時間10月7日にリリースしたPinterest Liteでは、ユーザーはこれまでよりも早くアプリをダウンロードでき、またアプリは従来よりモバイル端末のストレージを使わないとしている。
Pinterestは以前はGoogle PlayでPinterest Liteアプリを展開していたが、App Annieからのデータによると、このアプリは1年前に削除された。
「新しいPinterestのLiteアプリは実際にはPinterestのProgressive Web App(PWA)で、Google Playユーザーがダウンロードできていたものだ」とPinterestはTechCrunchに説明した。
Pinterestのエンジニアブログに昨年あった投稿によると、これはしばらくの間水面下で進行していたプロジュクトだ。投稿で、同社はモバイルでのウェブ体験がひどいもので、アップデートする必要があることを認めていた。
2017年7月、PinterestはモバイルウェブアプリをPWAとして一から書き直すためのチームを編成した。これにより「バンド幅の小さい環境にいる人や、限られたデータプランの人により良い使用体験を提供する」と話した。
Pinterest Liteモバイルアプリは今日から、Androidユーザー向けにペルー、アルゼンチン、コロンビア、チリ、メキシコで提供される。アプリのサイズはわずか1.4MB。デバイスによって異なるが、通常のPinterestアプリのサイズはAndroid端末で1.4MBをはるかに超える。比較のために言うと、iOS用は143.1MBだ。
アプリのリリースにあたり、同社にコメントを求めたところ「人々がどこにいようとも、自分の興味につながるようなインスピレーションを得られるよう、世界中の人がPinterestを利用できるようにすることが目標だ」とPinterestの広報は語った。
そしていまPinterestは、フラッグシップアプリのライトバージョンを提供する数ある主要サービスの1つとなった。
Googleは、Google GoやGmail Go、Files Go、YouTube Go、Google Maps Go、そしてGoogle Assistant Goなど一連のGoブランドアプリ軽量版を展開している。そして他社のものをいくつか挙げると、Facebook Lite、Instagram Lite、Messenger Lite、Twitter Lite、Uber Lite、Spotify Lite、TikTok Lite、Skype Lite、LINE Liteなどがある。Tinderもまた今年初め、インドマーケットに対応するためにTinder Lite appを開発中だと話し、この夏にひっそりとリリースした。
ライト版アプリの提供は、新興マーケットで競争を展開する上で最近では不可欠なものになっている。
特にPinterestはマーケット拡大に取り組んでいる。先日、Pinterestは第2四半期の国際マーケットの売上高は199%増の2400万ドル(約26億円)だったと発表した。月間ユーザーはトータルで3億人で、そのうち国際マーケットのユーザーは38%増の2億1500万人だった。しかしながら、Pinterestの売上高の大半は米国マーケットによるもので、第2四半期の売上高2億6100万ドル(約280億円)のうち、1億5300万ドル(約164億円)が米国マーケットのものだった。
画像クレジット:Pinterest
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(翻訳:Mizoguchi)